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中 転移と同化

続きものの続きです。
お名前の通り次でおしまいです。
一つ、拡がります。どうぞ





リザは廊下を進む。途中会う先輩、後輩、同僚に挨拶し、軽く会釈し、時には少し話して、何事もないように歩いていく。
その脳内にはギグルという盗賊の邪な意識が異形となって寄生していることも、そもそもリザ自身がギグルの忠実な娘へと生まれ変わっていることも、誰一人として気付くものはいなかった。
解析や感知の得意だったリザならば、あるいは気付いたのかもしれない。そういう意味でもギグルは幸運だった。
やがてある部屋の前に辿り着き、コンコン、とドアを叩く。

「はーい」
「私よ、開けて?」
「あ、せんぱいですか、今開けますねー」

出てきたのは藍色の髪を肩まで伸ばし、同じく藍色の瞳を輝かせる少女。リザが教育を担当している後輩、ルミナだった。
彼女こそ、リザの脳がギグルのために、彼の次なる標的として選んだ少女だ。
そのまま、ルミナに対して解析魔術を掛け、彼女の情報を閲覧していく。
結果は完璧の一言。年齢的にはリザの2つ下の16でありながら、ほぼ全ての能力がリザを遥かに凌駕していた。

(なるほど、確かに性能は文句なしだな。次代の聖騎士候補というのも頷ける。)
(ええ、最終的にフィエラ様をお父様の肉体とするまでは彼女がお父様の器に適切だと思います)

騎士隊の中でも感知を特に得意とし、彼女なら大丈夫だろうと教育と護衛を任された後輩。しかし今のリザはギグルの忠実な娘として、大切な筈のルミナを純粋に狙いやすく、彼の器に相応しい強力な肉体と認識し、彼女をギグルへと捧げたのだ。
リザの裏でそのような意識が蠢いているなど露にも思わず、ルミナはどうぞどうぞとリザを部屋に招きいれてベットに座らせると、自身もリザの横に座り、ニコニコと彼女のほうを向いた。

「どうしたんですか、せんぱい。せんぱいから私のお部屋に来るなんて珍しいですよね」
「ちょっと疲れちゃってね、貴女に会って癒されようかなって」
「そうなんですか? えっへへー、嘘でもホントでもうれしいですよぉ」

(相当懐いているようだな)
(そう、かもしれませんね……あまり意識してなかったですけど、廊下で腕を組まれたり、やけにスキンシップが激しかったり、私にだけ馴れ馴れしかったので、私に威厳がないのかと悩んでいましたが、そうですね、懐かれている、が適切かもしれないです)
(元のリザは思った以上に鈍感だったんだな……俺が入るまで女の快感さえ知らずに18になった生娘だし、無理はないか)

暫くルミナとリザ(の人格)で談笑させることにし、ギグルはルミナをじっくり眺める。
リザより二つ下の16歳。にもかかわらず一回りほど大きな胸、身長。正直どちらが先輩か一目では分からないだろう。実際しばしば間違えられた。リザとしては複雑だが、ギグルとしては魅力的なルミナの肉体は単純に好ましかった。

(やはりいい身体だな。身体の具合を確かめる為にもリザの立場を使って少し試してみるか……)
「どうしたんですかせんぱい?私の身体なんてまじまじと見て?あ、もしかしてセクハラですか?きゃー♪」
「……そうね、セクハラ、いいかもね」
「えっ、きゃっ……!」

リザの腕でルミナを押し倒す。天才騎士といえど予想外の行動には反応できず、そのままベットに倒れこむ。きょとんとした顔でこちらを見つめる姿は非常に愛らしく、下腹部にムラッときて、そのまま覆い被さる。

「あ、え……せん、ぱい……?」
「ふふっ、こうやって見るとやっぱりルミナって可愛い……」
「そんな、せんぱいのほうが……んっ、ふぁ……」

つぃーっ、と、首筋を撫でる。寝転がったことで少しはだけた鎖骨へと、リザの指が伝っていく。
ルミナの口から甘い吐息が漏れるのを聞くと、リザの身体が更にじゅんと熱くなり、自然とルミナを求める。

「ねえ、ルミナ……」
「ふぇ、な、なんですか……」
「私ね、ファーストキスなの」
「……ッ……! わ、私も、です……!」

確かめ合って、ゆっくりと唇を重ねる。ぷにっとした感触が互いの唇に伝わる。今まで何度も女を犯してきたギグルだったが、女の身体でするキスは互いの柔らかさを感じることができ、新鮮な感触であった。
そのまま、ちゅ、ちゅっと音を立て、何度か唇を触れ合わせ、その柔らかな感触を確かめあう。回数を重ねるごとに吐息の声と、ぴちゃ、という粘液同士が触れ合う音が増えていく。
唾液でヌルヌルになったルミナの唇に舌を潜り込ませる。彼女の口はリザの舌を容易に受け入れ、それどころか自らの舌を絡めてくる。この日が初めてとはとても思えない、唾液と唾液を混ぜ合わせる濃厚な口付けにより、部屋の中は唾液の混ざる音と甘い吐息でいっぱいになる。
2人の美少女が織り成す感触にリザの脳内に巣食うギグルが興奮を高め、リザの器も覚えたばかりの性への欲求を高めていく。心臓が高鳴り、呼吸は荒く、甘く、そして身体中が熱くなる。

「ぷはっ」

長いキスの中で、息が苦しくなってどちらともなく唇を離し、息を吸う。透明な橋が勢いよく伸びて、ちぎれた。
身体が火照る。まるで極上の酒に酔いしれているかのような感覚。記憶が脳内で反芻され、身体がその感覚を覚えていく。リザはまだ酒を飲んだことなどない。今彼女の脳に、肉体に刻まれているのはギグルの感覚だった。
リザの身体は心臓の高鳴るまま、目の前の美酒に溺れていく。服のボタンを外し、ルミナのボタンも外す。下着も脱ぎ捨て、自分より幾分か大きいルミナの胸に自分の胸を押しつける。
ルミナの大きな胸を自分の胸で押しつぶし、心臓の位置の肌同士を重ね合わせる。トクッ、トクッと、いつもより早鐘を打つ互いの心臓の音がリザの胸に伝わる。ルミナの胸に伝わる。
自分の胸に伝わっている、自分のとは違うリズムを刻むソレが目の前の少女のものだと思えば思うほど、自分の心臓は更に高鳴る。互いにそう思っていることを示すように、胸に感じる鼓動の感触も早くなっていった。

「ルミナ、興奮してる?」
「はぁ、はぁっ、そんなの、せんぱいだってっ……!」
「じゃあ、もっとしよっか」
「だめですっ、まってっ……ひゃぁぁっ……!」

ルミナの背中に手を回し、ギュ―ッと抱きしめる。心臓の鼓動はおろか、互いの肌の感触も、肌の奥の熱さも、骨の感触さえ、何もかもが深く互いに伝わってしまう。
神経がもっと感じたいと言わんばかりに敏感になり、感覚が身体中を反響していく。反響すればするほど、全身が熱くなっていく。昂ぶったリザは背中に回した手でルミナの身体をまさぐりはじめた。
その手は的確にルミナの感じやすい箇所を撫でていく。先ほど行った解析魔術でギグルが利用できると考え、本来のリザなら閲覧することのなかったルミナの性感帯を表示し、リザの脳に記録していたのだ。

「あ、ふぁ……ぅぁぁっ……せん、ぱいっ……!」
「ルミナの背中、引き締まってて、スベスベしてて、凄く気持ちいいわ……」
「せ、せんぱいっ……! そんなに、さわさわされたら、わたしっ……! 気持ち、抑えてたのにっ……!」
「いいのよ? 好きにして。 私に、嵌って、いいのよ?」
「あぁっ、せんぱい、せんぱいっ!!」

我慢できなくなったルミナもリザの背中を抱きしめ、その身体を撫で回す。ルミナ同様敏感になっていた肌から甘い快感を受け取り、リザも熱い吐息を漏らし、身をよじる。タガが外れてしまったルミナは夢中になって、なおもリザの肢体を撫でつづける。恵まれた体格を利用し、背中だけでなく脇腹、腹、胸、鎖骨、今まで触ってこなかった分を取り返すようにリザの肢体を思う存分貪っていく。

「ああっ、せんぱいっ、せんぱいの身体っ……! こんなに華奢で、こんなに可愛らしいのにっ……! 私の事、いつも、いっつも大事に大事に護ってくれるせんぱいっ……! 大好きですっ、ずっとずっと、大好きでしたっ……!!」
「ぁあっ、いい、いいわっ、もっと、もっとキてっ……!」

いつしかルミナが上になり、さらに、さらにとリザの全身をまさぐり続ける。
今まで心のうちに秘めてきた感情を吐露し、顔もリザの胸にうずめて、リザの匂いと感触でいっぱいになりながら、リザの身体を、存在を確かめ続ける。
遂には互いにスカートと下着を脱ぎ捨て、互いに産まれたままの姿になる。
どちらともなく互いの股間に手が伸び、手からはくちゅりと柔らかい肉の感触が、股間からは痺れるような快楽の感触が2人の脳に流れ込んでくる。

「ふふっ、準備万端みたいね……?」
「せ、せんぱいこそ……!」
「じゃあ、シましょうか」

互いに手を離すと、名残惜しそうに股間から粘液が漏れる。ヒクつくそこに、もっといいものが味わえるよと言い聞かせて、2人は互いの女性器を重ね合わせる。

「ふぁぁっ……!」
「キたぁっ……!」

くちゅっ、という先ほどと似たような音と共に、先ほど以上の快感が電撃のように脳に伝わる。
ルミナの頭の中が、キスのときに感じた多幸感よりも更に幸せに支配され、思考がどんどん桃色に侵されていく感覚を理解しながらも、抗えない。
幸せと気持ちよさに全身が支配され、もっと、もっとという疼きのままに腰を動かすと、湧き水のように脳内に快感が湧き上がり、更に思考が侵されていくのが分かる。分かっているが止まらない。
ただ触れ合っているだけのはずなのに、奥底で繋がっているかのような感覚に陥る。自分が目の前のリザを支配し、リザが自分を支配しているような、依存関係にも似た感覚だった。

「ふぁっ、ぁあぁっ……! ……んっ、ちゅぅっ……」
「ぃいっ、いいわっ、ルミナぁっ……んちゅ……っ……」

求め合うように唇を寄せ合い、股間と唇の二つで繋がりあう。唾液と愛液を互いに交換するように、身体を重ね合わせて、気持ちよさに支配されたまま、互いに互いを貪りあう。部屋の中は淫靡で濃厚な雌の匂いと、性器と口腔のいやらしい音、そして二人の吐息のみで満たされていた。

「んぁあっ! クる、なんかキちゃうっ……!」
「ぁあっ、私もっ……ルミナ、一緒に、イきましょ……?」
「せんっ、ぱいっ……ひゃぁっ……! クるっ、キちゃっ……っ!!!」

まるで一体となったかのようにまぐわう2人にも、遂に終わりの時が訪れた。同時に身体を弓なりに反らし、性器をくっ付けながら互いに絶頂を味わう。絶頂の瞬間、密かにリザの股間から粘液の塊が抜け出し、ルミナの股間に潜り込んだが、彼女がこれに気付くことはなかった。
ビクン、ビクンと、身体が震え、思考も出来ず、快感に悶える身体を震わせる2人。その影で、ギグルはひそかに嗤っていた。
そして、先ほどの行為に思いをはせ、快感の余韻に浸ろうとした、その瞬間……

「かひっ……!? ……ぅ……ぁ……」
(ぇ……!? な、なに、身体が……!?)

キスで唾液と共に、先ほどのまぐわいで愛液と共に、少しずつルミナの体内に潜り込んでいたギグルが、辿り着いていたルミナの脳内で突如彼女のコントロールを全て一気に奪い取ったのだ。
突然の感覚に驚くルミナ。しかしもはや全てが遅かった。ムクリと起き上がり、座った状態で手を握り、開き、身体の感覚を確かめていく。

「ククッ……なるほど、確かに良いカラダだ。これを自由に使えれば色々と出来るだろうな……」
(な、なに、あなた一体なんなのっ!?)
「先ほどまでまぐわっていた相手を忘れるとは薄情な女だなぁ……」
(……!? まさか、せんぱいの中に……!?)
「ま、そういうことさ。お陰でお前の身体に入り込むことが出来た。リザの器には感謝しているぞ……」

そう言いながらルミナの手で自身の肉体を撫で回す。ギグルの本体はルミナの脳が送る信号を完全に遮断し、自分だけが彼女の肉体に命令を送ることができる状況を維持していた。リザを乗っ取ったときとは異なり、脳を支配しているわけではない為、ルミナの意識は未だ覚醒したまま彼女の脳内に取り残されていた。
ルミナの意識は身体をピクリとも動かすことは出来ないまま、ただただ操られる自分を感じ、ギグルに訴えることしかできなかった。

「う、ううん……」
(せ、せんぱいっ! 目を覚ましたんですね!!)

ギグルの容れ物となったルミナが暫く身体を弄っていると、リザが目を覚ました。自分の信頼するリザの目覚め。先ほどまでは今自分の体内に潜り込んでいるソレに操られていたものの、ソレが出て行った今なら、探知と解析を得意とするリザならきっと自分に移った物体の存在も突き止めてくれる筈、そう考えていた。

「目を覚ましたか、リザ」
「ええ。おはようございます。お父様」
(…………え……?)

リザはニコッ、と柔らかい笑みをルミナに向ける。それはリザが今までルミナに見せてきた先輩としての顔ではなく、絶大な信頼を寄せる相手、まるで親にでも話しているかのような笑みであった。
なおも身体をまさぐり続けるルミナの肩に頭をコテンと預ける。

「ああ、リザがお前を助けることはないぞ。これはもう俺の忠実な娘だからな」
「あれ、もしかしてルミナの意識ってまだ生かしたままなんですか? それは……面白いですね……!」
(せん、ぱい……?)

リザはそういってニヤリと笑う。その邪な笑みも、ルミナがはじめてみるリザの姿であった。
笑みを浮かべたまま、リザは再びルミナに身体を寄せる。イったことで敏感になったルミナの身体は素直に強い快感を脳に示していた。

「私の身体で最後に分身をルミナの中に産み落としたの。ふふっ、ルミナ。膣の中に何か入ってる感覚があるでしょ? これが貴女の卵子に受精したら最後。私と同じように、身体も、脳みそも、遺伝子も、未来も、何もかも奪い取られてお父様に全てを捧げる娘に生まれ変わるのよ……」
「う、うそっ……そんな、いや、せんぱい、助けて……!」
「ダメよ。貴女の肉体はお父様がフィエラ様の身体を奪うまでの間大事な大事な器として使って貰わないといけないもの。ふふっ、私が貴女をお父様の器に推薦したの。一番都合のよくて、具合のいい肉体として、ね?」
「そ、そんなっ……せんぱいが……っ…… !、ひうっ!?」

憧れていたリザの裏切りによって悲嘆に暮れるルミナをよそに、リザはルミナの股間に手を滑り込ませる。
身体は未だ脳にへばりつくギグルに操られ、両手で女性器を開いてリザの手を受け入れていた。

「お父様、お手伝いさせていただきます。ルミナの身体をほぐして、お父様の分身を子宮へと導きます。新しいカラダの具合を確かめながら、じっくりとその肉体を奪ってくださいね。」
「い、いやぁあっ、やめてっ、せんぱいっ!! ひゃあぁぁっ!!」

必死に懇願するルミナだが、ギグルに操られた肉体は勝手に腰を動かし、リザの手を受け入れて快楽を貪り始める。性器から生まれる快感が半ば強制的に脳に伝わり、思わず声を上げてしまう。
同時に膣内に潜り込んでいる粘液の塊のような感触が奥に進んでいるのがわかる。しかしルミナには何の抵抗も許されず、ソレが自分の全てを奪い取ろうとするのをただ眺めるしかできなかった。ソレの動きが止まるごとにリザの手によって身体がほぐされ、ソレは更に奥に奥にと潜り込み、遂に子宮口に辿り着いてしまう。
じわーっ、と子宮に侵入する感覚が脳に伝わり、感じてしまう気持ちよさと絶望感でいっぱいになる。

「いや、いやっ……たすけて、たすけてよぉ……ひゃぁっ……やだぁ……」
「大丈夫。卵が貴女と一つになれば、お父様に全てを捧げることが幸せなことになるから。さ、貴女の全部を明け渡しなさい。」

リザはゆっくりとルミナの下腹部を撫で回す。ここで孕むのだと教えるように。ここから全てが奪われるのだと教えるように。
なでられたその場所。卵子に、卵巣に、遂にギグルの欠片が辿り着いてしまう。つぷ。と入り込んでしまう。

「あっ♡、あっ♡、あああっ♡♡♡ やだっ♡、やだやだやだっ♡、なにこれっ♡、なにこれぇっ♡♡」

瞬間、ルミナは身体をガクガクと痙攣させ、喉から蕩けるような甘い声が漏れ出す。
胎内に新たな命が生まれたという事実が身体全体に伝えられ、そして身体全体が祝福しているのだ。身体中の祝福を受け取り、ルミナの脳は幸福に支配されてしまう。
嬉しさで自然と頬が緩み、自分の身に起きている全ての事象を、生まれた命を喜んでしまう。それは生まれた卵にとって絶好の機会だった。
そのままルミナの肉に、血管に、血液に混ざりこみ、脳を目指す。
祝福あふれるルミナの身体は卵という異物に何の防衛も行わず、いとも簡単に脳に招き入れてしまった。

「ああああぁぁぁっ♡♡♡ ひゃぁぁぁぁぁっ♡♡♡」

嬌声と共に、トロトロに溶けた脳はそのまま卵に混じりあう。脳が、ルミナという存在が、魂が、生まれ変わって、一つになる。
いつのまにかギグルの支配は外れ、ルミナの身体は弓なりに反れ、ビクン、ビクンと痙攣を起こす。
少しすると反らした身体は元に戻り、ベットに倒れ込むも、暫くの間痙攣は続いていた。リザは全裸のまま、ルミナの様子をただ嬉しそうに眺めていた。

「……ふぅーっ……」

やがて痙攣はおさまり、ルミナはゆっくりと起き上がると、身体を撫で、うん、うんと確認するように頷いていく。

「ね、気分はどう?ルミナ?」
「……ええ、最高の気分です。『お姉様』……」

『お姉様』。血縁関係などないリザとルミナ。しかし今、ギグルという共通の親を持ったことで二人は『姉妹』になったのだ。
リザとルミナは互いに肌を重ねあい、新たな身体の関係と感触を確かめ合う。

「んっ、はぁっ♡、来た、お父様ぁ……♡ ……くくっ、上手くいったようだな。」
(ええ、ええ! 私、ルミナは完全にお父様のモノ、お父様に忠実な容れ物になりました……!)

先ほどと違い、ギグルの本体はルミナの脳に入り込んでいた。ギグルの奴隷に堕ちたルミナは彼をいともたやすく自分の脳内に招きいれ、結びつく。
リザのときより綿密に、積極的に神経一つ一つを繋ぎ合わせ、明け渡していく。今ここに居る彼女は本来のルミナではなく、ギグルの容れ物となったルミナであるがゆえに、彼に違和感なく支配させる為の最大限の努力を行っていた。

「よくやったルミナ。……やはり本人から積極的に支配を受け入れさせたほうがよく馴染むらしいな。この違和感のなさ、若い女という元の俺とは全く別の肉体であるにもかかわらずここまでよく馴染んでくれるとは、本当に良い器だ。気に入った。暫くはお前をメインボディとしてやろう。」

そう言って身体を撫でまわす。先ほど操った時よりも、これまで入っていたリザよりも上手く動く身体を愉しむ。新しく手に入れた肉体の、神経一本一本にギグルという新たな支配者の名前を教え込んでいく。

「おめでとうございますお父様。新しい器はいかがですか?」
「ああ。先ほどよりよく馴染む。実にいい器だ。褒めてやるぞリザ。」
「ああっ、お父様ぁ……♡」

感極まってリザはルミナに抱きつく。互いの胸同士がくっつき、心音が伝わる。しかし先ほどまで全く別だった心音が、今は全く同じタイミングで鼓動していた。この鼓動こそが彼女たちが同種の、ギグルの娘という存在に生まれ変わった証拠でもあったのだ。
同一の存在になれたことに二人の身体が喜び、ゾクゾクとした快感が神経を駆け回っていく。

(折角身体が二つ手に入った訳だし、これもおそらくできるはず……試してみるか……)

更にルミナは右手を前に持って来ると目を閉じて何かを念じる。ブクッとした膨らみが首筋、腕、右手へと移動し、右手が少し膨らむ。手のひらにはニヤーッと嗤う顔のようなものがあった。
そしておもむろにその手をリザのお腹にくっ付ける。

「ひぅっ……!?」

ビクッと身体が跳ねたと思うと、膨らんだ右手が一瞬リザと同化し、ビキビキっとお腹を中心に筋のように膨らんで、そのまま体内に入り込んでいく。
入った存在の正体を理解したリザはそれらを脳に導き、取り込む。

「なるほど、支配した肉体は性質が俺と似通っているお陰で肌経由で転移できるわけか。これは便利だな……次は……」
「あ、ひっ……!?」

今度はリザの指を膨らまし、ルミナの首筋から潜り込んで身体を乗っ取る。先ほどよりスムーズに移動と支配を行い、今度はルミナがニヤリと笑い、そのまま触れている右腕からリザのお腹に再度入り込む。二人の肉体は完全にギグルの玩具と化し、何度も支配と転移を繰り返された。
しばらく遊ぶとメインボディにと決めたルミナの脳内に戻り、リザは再びその身をルミナへと寄せた。親しげな様子はルミナの先輩としてではなく、ルミナの身体を器とするギグルに対する親への愛情のそれであった。

「それで、ここからはどうしましょうか?」
「そうだな……暫くはゆっくりとこの器を試しながら騎士隊の人間どもを卵と同化させて戦力を拡大させるとしよう。ゆっくり、ゆっくりと俺がこの国を支配し、最終的に象徴たるフィエラの肉体とこの国を同時に頂く。リザにルミア。お前達が最初の足がかりだ。せいぜい働いてもらうぞ?」
「(はい!お父様っ!)」

恭しく返事を返す二人。彼女らの魂にはもはや騎士としての誇りも、愛国心も何一つなく、ただただ主人であるギグルに従うということへの悦びのみが刻み付けられていた。
そしてこの日を境に、王国第一騎士隊にギグルという邪悪な魂が蠢きはじめるのだった……

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