淫魔と冒険者と精神交換の遺跡
- 2022/02/09
- 11:21
おひさしゅうです。
久々すぎて存在忘れられてそう。口移しのオマケ出した時からすら2ヶ月経ってるもんね……
何はともあれリクエスト頂いたヤツです。結構好きにヤっちまってください的な感じだったのでやりたいことやったけどどうだろ。
口移しの方は合計5000DL行きました。割とわけわからん数字叩き出してて開いた口が塞がらねえ感じです。もうホントありがとうございます。あと今月中ぐらいでぽぷらさん側からなんかアナウンスあるかもしれないです。これに関しては僕が見て、口出ししてます。つまりそういうこと。前置きと宣伝終わり。
ある王族の墳墓には数千年前、不死を求めた研究がなされ、今なおその成果が眠っているとされていた。しかしその墳墓は巨大に入り組んでおり、迷い込んだ冒険者たちの屍が積み上がっているのみだ。そんな未開の迷宮の奥地、誰も踏み入れたことのなかったその場所で、1組の男女が向かい合っていた。
余裕の表情の女とは裏腹に、男は全身から汗を流して機を窺っている様子だ。
「ふふっ、いい加減観念して私の餌になりなさい?」
女の背中には蝙蝠のような大きな翼、尻には先の尖った尻尾が生えていた。彼女は人間の精力を吸い取り食事としてしまう淫魔、サキュバスだったのだ。
飛行能力を持ち、身体能力でも遥かに勝るサキュバスを前にしてもなお、男は彼女から逃れるために思考を巡らせ続けていた。
「……っ、クソッ……! せっかくこんな隠し部屋にまで辿り着いたってのによぉ……!」
数多の罠が張り巡らされたこの迷宮は、数々の冒険者たちが数百年に渡り挑み続けていたが、そのほとんどが帰らぬままとなっており、未だに全容が明らかになっていない。
そんな迷宮に単身で乗り込んだ男。巷では"すり抜けのグレイ"と呼ばれた彼は遂に過去の人間の記録にない隠し部屋にまで辿り着くことに成功した。
そんな彼を不幸が襲った。たまたま暇潰しで迷宮に入り込んだサキュバス、イライザに目をつけられてしまったのだ。
「迷宮の中ならうまく逃げられたかもしれないけど、ここじゃどうしようもないでしょう?」
サキュバスに出会ったら逃げろ。人間がそう教えられていることも知っている彼女は、入り組んだ迷宮の中に上手く隠れて逃げ延びられるのを考慮して、出口が一つしかないこの部屋に彼が入るまで待っていたのだった。
「この俺が、こんなところで終わってたまるかよ……!」
「ふふ、必死に抵抗するところ、カワイイわよ?」
服の中に仕込んでいたナイフを投げる。予備動作なく洗練された投擲は人間や下級の魔族なら反応すら出来ずに眉間を撃ち抜かれる威力と速度であったが、イライザは首を軽く傾げるだけでそれを避けてしまった。避けられたナイフは無力に壁に当たり、床に転がる。
「くっ、そぉっ……!」
「もう、だから無駄だって言ってるのに……」
再びもう1本投げる。同じくイライザは簡単にそれを躱し、グレイに歩み寄っていく。飛んでいったナイフが壁に当たって落ちるかと思いきや、たまたまそこにあった窪みに挟まった。
その瞬間だった。
「……? なに? 何が起きたの……?」
「なんだこれ、罠、か……!?」
ナイフの刺さった窪みから光で紋様が浮かび上がり、部屋を覆っていく。それは今までグレイが見てきた罠の数々とはまるで異なるものであった。部屋中が紋様に包まれると、今度は四隅に取り付けられて淡く光っていた柱に嵌まった宝石の光が眩いほどに強くなる。
「きゃああっ!? な、なによこれっ……!」
「く、くそっ、動けねえっ……!」
その瞬間だった。2人の身体はまるで縛られたかのようにピクリとも動かなくなってしまう。人間はおろか、上級魔族であるサキュバスまで捕えてしまうというのは相当強力な罠だったが、彼らにとってはそれどころではない。
「なにこれっ、私が、抜けっ……! んぐぁっ……!」
「うお、おおおおおっ!!!」
続いて宝石の光がさらに強く輝くと、イライザの口から赤い靄のようなものが、グレイの口から青い靄のようなものが吐き出されていく。
やがて全てが吐き出されると2人の瞳からは光が失われ、口を開けたままぼーっと上を向いた状態で固定される。
少しすると、今度は宙に浮いていた靄が少しずつ移動を始めた。青い靄がイライザへと進み、赤い靄がグレイへと進んでいく。
「んぐ、ごぐっ……ぐっ……ぶ……」
「あがっ、んぐっ、もご、むぐ……」
先程2人から抜け出したのと同じように、互いの口から出た靄が別の口へと入り込んでいく。喉を大きく鳴らしながらそれらを体内に取り込んでいく2人の身体にはまるで意志などないようで、入ってくるそれを簡単に受け入れてしまっていた。
グレイから出た青い靄はイライザの体内に、イライザから出た赤い靄はグレイの体内に収まると宝石は徐々に光を失い、紋様も部屋から消えていった。
静寂に包まれた部屋で、人間の男とサキュバスの女が座り、うなだれているままだ。
「っ……ん……いったい、なにが……?」
先に目を覚ましたのはイライザの方だった。人間より回復能力も高い彼女は、グレイと比べてこのような事態からの回復も早いのだ。
「ん? あ? あれ、俺!? っ、声、え!?」
目覚めた彼女は、先ほどまで対峙していたはずの男を見て困惑の声を上げる。更にまるで自らの声に驚いたかのように再び声を漏らした。
続いてイライザは自らを見下ろす。下半身は露出の多いドレスのような服に乳首だけが隠された状態で豊満な乳房によって遮られている、彼女にとってはいつも通りの光景。それをイライザはまるで珍しいものでも見てしまったかのように興味深そうに眺めていた。
「お、俺が、あのサキュバスの身体に……!?」
呟きながらイライザは両手で乳房を、ドレスの上から揉みしだく。服越しにもその魅惑的な弾力と、揉まれる感触が伝わっていた。その姿は先ほどまでの彼女とはまるで異なっている。
そう、イライザの肉体には今、グレイの魂が宿っていたのだ。
「尻尾と翼があるって、こんな感じなのか……」
背中の後ろに手をやると、本来空を切るはずのその場所に蝙蝠に似た形の翼の感触がある。尻の先に手をやると、紐のような尻尾と共に先がハート型に尖っているのがわかる。
それは同時に、自分が人間ではない存在になってしまったことを強く意識させるものであった。
「……これは、へぇ……へへ……」
イライザの肢体を真上からまじまじと眺める。今まで捕食される側としての恐怖でそれどころではなかったが、捕食対象である男を魅了し、支配するほどの美貌を持つ彼女の姿はただただ魅力的であった。
そんな自らの身体に自然と両手が動き、ドレスの上から優しく撫で始める。きめ細やかな生地の奥に柔からく滑らかな肌の感触が、生地を伝って美しく細い指に触られている感覚が同時に流れ込んでくる。
「もしこのまま戻れなかったら、俺は、これからずっと、このサキュバスに……」
入れ替わった原因がこの部屋によるものだとは予想できたが、四隅に付いた宝石が淡い光すら失っていることから今その力が失われてしまっていることがわかる。
同時に、ある想像が脳裏をよぎる。元の身体に戻れず、このまま人間達から精力を吸い上げながら、人間よりはるかに強力な種族であるサキュバスの女として、人間よりずっと長い命を生きるということが。
「……この身体のまま、ってのも悪くないかもな……!」
そう呟きながら、彼女は自らの乳房に手を伸ばす。彫像や絵画に描かれる女神すら想起させる美しい巨乳が彼の眼前でその手の動くままにたわわに震え、触れる感覚と触れられる感覚が同時に流れ込んでくる。それは男が女を犯す時には絶対得られないものであり、彼に愉悦の感情を与えてくれた。
ペロリと柔らかい舌で美しい唇を舐めて、グレイの精神はイライザの肉体を弄ぶ。ドレスの中に手が入り込み、乳房の先についた突起に指が掛かった。
「んひっ……♡ これ、やばっ……♡ 胸にチンコが2つ付いてるみたいに、ピリピリするっ……♡」
膨れ上がった乳輪を撫で、乳首を親指と人差し指で抓って、イライザの肉体でしか得られない快楽を彼女の代わりに味わう。性に対して奔放で敏感に開発されたサキュバスの肉体は、彼女が生きてきたより遥かに短い経験しか持たないグレイの拙い責めでさえ強い快感を引き出していた。
「乳だけでコレなら、こっちは、もっとっ……♡」
グレイは欲望の赴くままに腰を下ろし、ドレスの中の股間へと興味を移す。男の精気を喰うために使い込まれ、開発された彼女の股間は触れる前から熱く疼き、彼の魂に触れろと促してくる。
「ふふっ、いい加減観念して私の餌になりなさい?」
女の背中には蝙蝠のような大きな翼、尻には先の尖った尻尾が生えていた。彼女は人間の精力を吸い取り食事としてしまう淫魔、サキュバスだったのだ。
飛行能力を持ち、身体能力でも遥かに勝るサキュバスを前にしてもなお、男は彼女から逃れるために思考を巡らせ続けていた。
「……っ、クソッ……! せっかくこんな隠し部屋にまで辿り着いたってのによぉ……!」
数多の罠が張り巡らされたこの迷宮は、数々の冒険者たちが数百年に渡り挑み続けていたが、そのほとんどが帰らぬままとなっており、未だに全容が明らかになっていない。
そんな迷宮に単身で乗り込んだ男。巷では"すり抜けのグレイ"と呼ばれた彼は遂に過去の人間の記録にない隠し部屋にまで辿り着くことに成功した。
そんな彼を不幸が襲った。たまたま暇潰しで迷宮に入り込んだサキュバス、イライザに目をつけられてしまったのだ。
「迷宮の中ならうまく逃げられたかもしれないけど、ここじゃどうしようもないでしょう?」
サキュバスに出会ったら逃げろ。人間がそう教えられていることも知っている彼女は、入り組んだ迷宮の中に上手く隠れて逃げ延びられるのを考慮して、出口が一つしかないこの部屋に彼が入るまで待っていたのだった。
「この俺が、こんなところで終わってたまるかよ……!」
「ふふ、必死に抵抗するところ、カワイイわよ?」
服の中に仕込んでいたナイフを投げる。予備動作なく洗練された投擲は人間や下級の魔族なら反応すら出来ずに眉間を撃ち抜かれる威力と速度であったが、イライザは首を軽く傾げるだけでそれを避けてしまった。避けられたナイフは無力に壁に当たり、床に転がる。
「くっ、そぉっ……!」
「もう、だから無駄だって言ってるのに……」
再びもう1本投げる。同じくイライザは簡単にそれを躱し、グレイに歩み寄っていく。飛んでいったナイフが壁に当たって落ちるかと思いきや、たまたまそこにあった窪みに挟まった。
その瞬間だった。
「……? なに? 何が起きたの……?」
「なんだこれ、罠、か……!?」
ナイフの刺さった窪みから光で紋様が浮かび上がり、部屋を覆っていく。それは今までグレイが見てきた罠の数々とはまるで異なるものであった。部屋中が紋様に包まれると、今度は四隅に取り付けられて淡く光っていた柱に嵌まった宝石の光が眩いほどに強くなる。
「きゃああっ!? な、なによこれっ……!」
「く、くそっ、動けねえっ……!」
その瞬間だった。2人の身体はまるで縛られたかのようにピクリとも動かなくなってしまう。人間はおろか、上級魔族であるサキュバスまで捕えてしまうというのは相当強力な罠だったが、彼らにとってはそれどころではない。
「なにこれっ、私が、抜けっ……! んぐぁっ……!」
「うお、おおおおおっ!!!」
続いて宝石の光がさらに強く輝くと、イライザの口から赤い靄のようなものが、グレイの口から青い靄のようなものが吐き出されていく。
やがて全てが吐き出されると2人の瞳からは光が失われ、口を開けたままぼーっと上を向いた状態で固定される。
少しすると、今度は宙に浮いていた靄が少しずつ移動を始めた。青い靄がイライザへと進み、赤い靄がグレイへと進んでいく。
「んぐ、ごぐっ……ぐっ……ぶ……」
「あがっ、んぐっ、もご、むぐ……」
先程2人から抜け出したのと同じように、互いの口から出た靄が別の口へと入り込んでいく。喉を大きく鳴らしながらそれらを体内に取り込んでいく2人の身体にはまるで意志などないようで、入ってくるそれを簡単に受け入れてしまっていた。
グレイから出た青い靄はイライザの体内に、イライザから出た赤い靄はグレイの体内に収まると宝石は徐々に光を失い、紋様も部屋から消えていった。
静寂に包まれた部屋で、人間の男とサキュバスの女が座り、うなだれているままだ。
「っ……ん……いったい、なにが……?」
先に目を覚ましたのはイライザの方だった。人間より回復能力も高い彼女は、グレイと比べてこのような事態からの回復も早いのだ。
「ん? あ? あれ、俺!? っ、声、え!?」
目覚めた彼女は、先ほどまで対峙していたはずの男を見て困惑の声を上げる。更にまるで自らの声に驚いたかのように再び声を漏らした。
続いてイライザは自らを見下ろす。下半身は露出の多いドレスのような服に乳首だけが隠された状態で豊満な乳房によって遮られている、彼女にとってはいつも通りの光景。それをイライザはまるで珍しいものでも見てしまったかのように興味深そうに眺めていた。
「お、俺が、あのサキュバスの身体に……!?」
呟きながらイライザは両手で乳房を、ドレスの上から揉みしだく。服越しにもその魅惑的な弾力と、揉まれる感触が伝わっていた。その姿は先ほどまでの彼女とはまるで異なっている。
そう、イライザの肉体には今、グレイの魂が宿っていたのだ。
「尻尾と翼があるって、こんな感じなのか……」
背中の後ろに手をやると、本来空を切るはずのその場所に蝙蝠に似た形の翼の感触がある。尻の先に手をやると、紐のような尻尾と共に先がハート型に尖っているのがわかる。
それは同時に、自分が人間ではない存在になってしまったことを強く意識させるものであった。
「……これは、へぇ……へへ……」
イライザの肢体を真上からまじまじと眺める。今まで捕食される側としての恐怖でそれどころではなかったが、捕食対象である男を魅了し、支配するほどの美貌を持つ彼女の姿はただただ魅力的であった。
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入れ替わった原因がこの部屋によるものだとは予想できたが、四隅に付いた宝石が淡い光すら失っていることから今その力が失われてしまっていることがわかる。
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「……この身体のまま、ってのも悪くないかもな……!」
そう呟きながら、彼女は自らの乳房に手を伸ばす。彫像や絵画に描かれる女神すら想起させる美しい巨乳が彼の眼前でその手の動くままにたわわに震え、触れる感覚と触れられる感覚が同時に流れ込んでくる。それは男が女を犯す時には絶対得られないものであり、彼に愉悦の感情を与えてくれた。
ペロリと柔らかい舌で美しい唇を舐めて、グレイの精神はイライザの肉体を弄ぶ。ドレスの中に手が入り込み、乳房の先についた突起に指が掛かった。
「んひっ……♡ これ、やばっ……♡ 胸にチンコが2つ付いてるみたいに、ピリピリするっ……♡」
膨れ上がった乳輪を撫で、乳首を親指と人差し指で抓って、イライザの肉体でしか得られない快楽を彼女の代わりに味わう。性に対して奔放で敏感に開発されたサキュバスの肉体は、彼女が生きてきたより遥かに短い経験しか持たないグレイの拙い責めでさえ強い快感を引き出していた。
「乳だけでコレなら、こっちは、もっとっ……♡」
グレイは欲望の赴くままに腰を下ろし、ドレスの中の股間へと興味を移す。男の精気を喰うために使い込まれ、開発された彼女の股間は触れる前から熱く疼き、彼の魂に触れろと促してくる。
そうして彼に操られたサキュバスの指先が、下着の布地をなぞりはじめる。
「んっ♡ ふぅっ♡ これ、シャレにならないかもっ……♡」
布地越しにも関わらず、直接脳を刺激されたかのように強烈な感覚が流れ込む。肉体は更に強い快楽を求めて指の動きが速くなり、粘ついた音が部屋に響きはじめる。
「あっ♡ やばいっ♡ コイツの、サキュバスのカラダっ♡ きもちよすぎるっ♡」
既に下着はズラされ、指が膣内へと無遠慮に潜り込みはじめていた。しゃがんだまま股を開いた格好で、グレイはサキュバスの女体での快楽を享受し続ける。粘液の音は更に大きくいやらしい物に変化し、喉から出る嬌声も吐息からうめき声に近いものへと変わっていく。その時、彼の視界の端で何かが動いた。
「う、ううん……一体、何が……」
「あ゛〜っ、きもちい゛ぃっ♡ これが女の、サキュバスの快楽ぅっ♡ ほお゛ぉっ♡♡♡」
動いたのはイライザの魂を入れたグレイの身体だった。しかし当のイライザの肉体とグレイの魂はそんな物どうでもいいと言わんばかりに、サキュバスとしての快楽に夢中になっていた。
「!? なんなのこの身体っ!? それに、なんで私がそこにっ!? っていうか、何してるのよっ!?」
「あ? 起きたのか? まぁどうでもいいや、今いいとこだから、んぎぃ゛い゛っ♡♡♡」
「ちょっ、ちょっと待ってっ、それ私の身体でしょっ! 辞めなさいよっ!」
サキュバスにとって性交とは食事であり、人間と違って自慰行為はまず行わない。だからこそ目の前で繰り広げられる自分自身の痴態はサキュバスとしてあまりにも不自然で、自分の身体が別人に使われているんだと理解するのには十分であった。
だがグレイにとっては自分の身体などどうでも良かった。彼の興味はそれよりも今自分に至上の快楽を与えてくれるイライザの肉体に向いていたのだ。ビクビクと大きく腰を震わせながら、彼はサキュバスとしての快楽に没頭する。
「やばっ、クるっ、なんかキてるっ♡ これがサキュバスのイくってヤツなのかっ♡ あぁっ♡ 俺、人間なのにっ♡ サキュバスとしてっ♡ 女として、イっ♡ っ〜〜〜〜〜♡♡♡♡」
「いや、わ、私が、私の身体が……!」
蕩けきった顔で口からはヨダレを、股間からは愛液を垂れ流し、声を上げながら絶頂するイライザの肉体。突然他人として自分の痴態を見せつけられる。その姿は上級魔族としての自信に溢れた彼女にとってあまりにも無様で、屈辱的なものであった。
「はふぅ♡ んふぅ♡ きもちよかったぁ♡」
「っ……! コイツ、私の身体で勝手にっ……!」
グレイは自らの股間を撫で回しながら、絶頂の余韻に浸る。ようやく立ち上がることができたイライザの魂はまだ上手くバランスを取れないせいで近づかず、ただ眺めることしかできなかった。
「ふぅ……♡ にしても、まさか入れ替わっちゃうなんてね?」
「ふ、ふざけないで、早く元に戻る方法を……!」
イライザが動かないことを察したグレイは、身体を起こして彼女に近づいていく。自分の胸を揉みしだきながら近づくその足取りは軽く、とても同じタイミングで入れ替わった者同士とは思えない動きの差だった。
そんな満更でもなさそうな彼の姿を見て、イライザは焦りを覚える。早く自分の肉体に戻らないと、取り返しのつかない事になるのではないかと。そしてその予感は当たっていて、同時に手遅れでもあった。
「部屋に着けてあった石が光ってないだろ? もうこの部屋に魂を入れ替える力はないみたいだぜ? どうやって戻るんだよ?」
「そ、それは……」
「諦めようぜ? これからは俺がイライザで、アンタがグレイとして生きる。それでも良いじゃねえか」
「そ、そんなのっ……!」
グレイはなおも自らの乳房を弄りながら彼女に諭すように話すも、イライザはそれを否定する。上級魔族である自分自身の身体を捨て、元の自分より遥かに劣り、これまで餌として扱ってきた人間の男として生きるなど到底考えられなかったからだ。
必死だったが故に、名乗ってもいないにも関わらず彼がイザベラの名を知っているという事にさえ気付けない。
「ひひっ、聞き分けの悪いヤツだなぁ!」
「きゃあっ!? ひぃっ♡」
そんな彼女の様子を見て、グレイはイライザの肩をグイッと押してその場に倒してしまう。同時にブーツを脱いで、彼女のズボンの股間部分に足を置いたのだ。突然自分についた男性器を踏みつけられる形になったイライザは思わず声をあげてしまう。
その動き自体も、イライザ自身がいつも人間の男から吸精する時のものだとは気付かなかった。
「どうよ? 男のチンコの感覚は? このカラダに比べれば確かに劣るけど、頭の中は真っ白になるだろ?」
「ひあっ!? んひぃいぃっ!! やっ、やめてぇっ!!」
足で男の動きを止めた後にゆっくりしゃがみ込み、今度は手でズボンの上からグレイの盛り上がった股間を撫で上げる。思い通りに反応する元自分の哀れな姿に愉悦を抱きながら、撫でる手をだんだんと早めていく。
「サキュバスはこうやって密着して男をフェロモンで操るんだよな? へへ、自分のフェロモンの味はどうだ?」
「っ……! 私のカラダの、私のフェロモンなんて、私に効くわけがっ……ふぁあぁっ!! あぎっ!?」
グレイは嬉しそうにサキュバスの生態を喋りながら、その肉体から男を誘うフェロモンを発する。それはグレイという人間の男の体内に染み渡り、細胞単位で本能を強烈に刺激しはじめる。目の前に存在する美しい淫魔を犯したいと、強い衝動が熱い血潮となって脳内を駆け巡る。肉体の今の持ち主であるイライザの魂の意思を無視して、ズボンの中で男根が大きくそそり立つ。それを察知した淫魔の手が彼のズボンを剥ぎ取り、肉棒が外気に晒される。サキュバスのフェロモンを吸い込んだソレは普段より大きく膨らんでしまっていた。
「あははっ、もう懐かしくすらあるぜ、俺のチンポ。色んな女をヒィヒィ言わせてきた自慢の逸物なんだから、大切に使い込んでくれよな?」
「ひぁあぁっ、いやっ、いらないっ、こんなの要らないぃっ!」
イライザの細く白い手がグレイの肉棒に絡みつく。サキュバスの肌は触れるだけで男に対して強烈な催淫性能を発現させ、雄としての本能と情動が沸き起こる。頭では目の前にいるのは異種族のサキュバスであると分かっているにもかかわらず、本能が目の前の雌を犯したいと強く訴え、理性を侵略してくるのだ。それはイライザの魂とグレイの肉体という歪な関係でも変わらなかった。
「ふーん、尻尾はここで使うんだ? あははっ、サキュバスのカラダって面白いなぁ」
「やっ、やめっ、ソレはダメっ!!」
グレイの魂はイライザの身体でどう精気を吸い取るかを、彼女の脳から吸い上げて理解する。サキュバス特有の尻尾という器官を当たり前のように操り、尻尾の口がぐぽっと粘ついた音を鳴らして開くと、彼の陰茎を被せるように咥え込んだ。
「ぼ゛っ゛、お゛っ゛、お゛ぉ゛っ゛っ!!」
「ははっ! 尻尾だけでその反応かよっ! ホントに男から精子を奪うために特化したカラダなんだな!」
尻尾の中は暖かく柔らかく、それでいて強く陰茎を締め付けていた。冒険者として名も知られるほどに成功し、ゆえに女性経験もそれなりにあったグレイの肉体に保存された記憶の中でも、その感覚は至上のものであった。そんな快楽を、イライザの精神は男としての初めてで味わってしまったのだ。身体を海老の様に反らせ、もはや獣としか思えないような雄叫びをあげることしかできない。
「や゛っ、や゛め゛ろ゛っ゛! このカラダがっ゛、こわれる゛っ、ぞっ゛、ひぎっ!?」
「こんなことしたら男の身体がどうにかなるってのは分かってるんだな? ま、それはもうお前のカラダだし俺には関係ないけどな♡」
イライザはさっきまでの、サキュバスだった時の記憶から彼が自分に何をしているかを理解していた。尿道から媚薬に似た体液を流し込み、グレイの精巣を活性化させることで、男から限界を遥かに超えた精力を奪い取ろうとしているのだ。そうして自分が人間を食い潰してきたことを思い出し、今自分が食い潰される側になっている事に恐怖した。何とか止めようとするも、イライザの肉体を操るグレイは面白そうに笑いながら体液を注ぎ続ける。彼にとってはイライザというサキュバスこそ自分がこれから生き続ける新たなる肉体、自分の命そのものであり、元自分であるグレイのカラダがどうなろうと構わないのだ。
そうして液体が彼の体内の奥深くへと染み渡り、グレイの精巣は彼女の意思とは無関係に生命力を精液へと作り替えはじめる。
「ひひっ、出そうなんだろ? 諦めて出しちまえよ?」
「イヤっ、出したくないっ、こんな男なんかにっ……! あぁあっ!!!」
作り出された以上、吐き出すのは簡単だった。イライザとしての初めての精液は彼女の尻尾の中に向けて飛び出し、その奥へと呑み込まれていった。尻尾は流れ込んだ精液によって膨らみ、ごきゅっ、ごきゅっと音を鳴らしてイライザのモノだった肉体へと吸収されていく。尻尾を通り抜け、彼女の肉体に取り込まれてグレイの一部へと生まれ変わる。
しかし、奪われたのは精液と精力だけではなかった。
「あぁあっ!!? なにこれっ、すごっ……! 俺が、カラダに、馴染むっ……♡」
「っぁ……そんな、うそ、うそでしょっ……返してっ、私を、返してよ……!」
人間の男の肉体にとって、サキュバスの魂は大きすぎた。故にグレイの肉体はイライザの魂から、人間として生きるのに不要な部分を精液と共に捨てようとしたのだ。上級魔族という種族を、サキュバスとして培ってきた能力を。そうして捨てられた魂の一部がグレイの魂の中へと取り込まれていく。サキュバスの肉体を使うには小さすぎたグレイの魂を補い、サキュバスとして生きるのに相応しい魂へと作り替えていく。そうして互いの魂と肉体が急速に馴染んでいくのを、お互いが感じていた。
今の肉体に定着しようとするこの現象に、グレイは歓喜し、イライザは忌避した。
「イった時よりずっと多く、イライザの記憶が、力が俺に流れ込んでくるっ♡ このエロいカラダも、サキュバスの力も、魂も、俺のモノだぁ♡」
「いや、いやぁあっ! だめっ、やめてっ! 私を、俺から吸い取らないでっ!!!」
イライザの肉体をさらに上手く扱えるようになったグレイは彼女の尻尾を使ってさらに多くの精液をポンプのように吸い上げていく。自らの肢体を撫で回し、人間にはない翼を大きく広げながら歓喜に震えていた。その姿はまさしく自らの力に酔うサキュバスそのものであった。そんな元自分の姿を見せつけられて、イライザの魂は恐怖で青くなる。それでも精液から魂の持っていた力が抜け出ていくのを止めることは出来ず、大事な記憶さえ今使っている人間の脳のものと混濁しはじめてしまう。
「あぁ、そっか、そっちは人間のショボい頭のせいでサキュバスとしての記憶が消え始めてるのか! 俺は違うぜ? お前の高性能な頭が俺の記憶とアンタの記憶を一緒に保存してくれてるからな!
俺としても喋れるし……こうやって、私として喋ることだってできるわ♡ 安心してね私♡ イライザはこれから一生、グレイ様の新しい肉体として生きていくから♡」
「違うっ、それは、お、わ、わたし、の、カラダでっ……おま、あ、あなたの、じゃっ……!」
本来のイライザの口調を真似られながら、彼女が絶対に口にしないであろう言葉が彼女自身の喉から発せられる。同時にそれは肉体から魂への決別宣言のように感じられて、焦燥感はさらに強くなる。しかしそんな自分の姿を否定しようにも、真っ先に出てくる言葉は人間の男のものとの混濁し、もはや言葉になっているかすら怪しかった。そんなイライザの姿を眺めながら、さらにグレイは彼女の口調を使いこなして煽る。
「じゃあ早く私を助けてよ? 今も人間の男に操られてオナニーさせられてる。このままじゃイライザはオナニー好きのサキュバスとして生きることになっちゃうのよ? んっ♡ 入れ替わったままなら貴女は数十年後に死んで、私は人間の男の精神を宿したまま何百年、何千年も使われ続けるのよっ♡ ぁんっ♡ 早く、たすけてっ、このままじゃ私、グレイ様の新しい命にされちゃうぅっ♡♡♡」
「ぁあっ、くそっ、くそぉっ、それは、俺の、俺のカラダなのにっ……! その綺麗な顔も、エロい乳も、気持ちいいマンコもっ、強いカラダも、長い寿命もっ、全部っ、全部っ…….欲しいっ……!」
乳房を揉みしだき、乳首を捏ね回し、股間に指を突っ込み、陰核を弾いてイライザとしての痴態を見せつけながら彼女の肉体がどう使われていくかを言葉にする。
サキュバスという魅惑的な女の痴態を見せつけられたグレイの身体は興奮を促され、ついには尻尾を掴んで腰を動かし始めてしまう。イライザとしての意思が、グレイの肉体が持つ男の本能に屈服してしまったのだ。ついに彼の脳内は目の前のサキュバスを犯すことしか考えられなくなってしまっていたのだ。人間の肉体が持つ本能がサキュバスの魂を、意思を支配されてしまった瞬間でもあった。
「ふふっ、そこまで欲しいなら味わわせてやるよ。尻尾なんかよりもっと気持ちいい、イライザ様のサキュバスまんこでなぁ?」
「あぁっ……! ふーっ、フゥーッ……!」
そう言ってイライザの尻尾が彼の陰茎から剥がされる。掴んでいたはずのグレイの手から簡単にすり抜けて尻尾は彼女の尻の先、あるべき場所へと帰ってしまった。自分の男性器が突然快楽から解放されたことに、惜しむように情けなく声をあげるも、それも束の間だった。
イライザは部屋にある祭壇のような台に腰を下ろして下着を脱ぎ捨てて、自らの股間を目の前の男に見せつけたのだ。ただでさえ男の理想を思わせる完璧な美しさを誇る女体の持つ最も淫らな部位だというのに、更に外気に晒された彼女の生殖器からはこれまでとは比べ物にならないほどのフェロモンが目の前の男に向けて発せられる。鼻腔から入り込んだソレは脳を完全に掌握し、もはや言葉を発することすら忘れるほどの興奮状態に陥ってしまう。
「ぉほっ♡ そのチンコ、俺が使ってた頃よりデカくなってるな? じっくりと味わえよ? サキュバスのカラダを愉しめる機会なんてもう二度もないんだからよ?」
「ふーっ、あぁあぁぁっ!! 犯すっ、犯すぅっ……!」
グレイは己の肉棒を擦りながら、おぼつかない足取りでゆっくりと開かれたイライザの両脚の間へと近づいていく。その姿は花に誘われる虫を思わせるものだった。美しく柔らかな太ももを両手でがっしりと掴み、股間同士を近づけていく。自分だった身体を性的対象として捉え、犯そうとしているという事実は既に男の肉体の暴れるような本能に押し潰されていた。
グレイの魂はそんな哀れな男の姿を、イライザの唇を邪悪に歪めながら眺めていた。
「あはっ♡ きたきたっ♡ これが、サキュバス本来の感覚っ♡ イライザのおまんこの感覚っ♡」
「うお゛ぉ゛お゛っ、こ、これがっ、サキュバスのっ……!」
ヒクヒクと蠢くイライザの膣内に、グレイの男根がついに挿入される。彼女の中は普段より大きく勃起していたはずのソレすら簡単に呑み込み、がっちりと包み込んでしまう。それはあらゆる男から精を吸い上げ、自らの力とするために作り上げられたサキュバスの肉体だからこそ成せる技でもあった。全ての快楽を支配するような力を持つ自身の肉体に、イライザの中の魂はほくそ笑んでしまう。
「ふふっ♡ もっと善くしてやるよ……こういうのは、どうだっ?」
「ぉ゛あ゛ぁっ! すげぇっ!! 今まで犯してきた女共の中でいちばんっ!!」
そう言うとイライザの膣内がきゅうっと締まり、彼の男根を更に強く包み込む。サキュバスとしての能力を継承したグレイの魂は彼女の膣肉まで完璧に操ることが出来ていたから、肉体から男を搾り取る動きを理解し、更に目の前の男がどうすれば一番感じるかも分かりきった動きが可能なのだ。
目を白黒させ、快楽のまま男は咆哮のような声を上げる。彼の脳内に記憶された今までの女性経験をはるかに凌駕する快楽の奔流に呑まれながら、夢中で腰を振り続ける。その記憶が先ほどまでサキュバスであった自分自身のものでないことなどもはや分からないほどにまで、魂が人間の男へと置換されている証でもあった。
「しっかり覚えとけよっ♡ これがイライザとのっ、元自分との最後のお別れなんだからなぁっ♡」
「ぁ……ぇ……? っ!? そ、そうよ、私はっ……!」
彼がグレイの耳元でそう呟いた瞬間、イライザの魂が本来の人格を取り戻す。彼女からすれば自身の意思で戻ったように感じただろうが、実際はサキュバスの力でグレイの脳内からフェロモン消し、理性を引き戻しただけであった。
しかしイライザの魂にとってはそれどころではなかった。自分の人格が肉体の本能に流され、気がつけば男根を自分だった膣内に挿入している。更に本能のままにイライザの肉体を犯そうとしていた記憶さえあった。サキュバスという恵まれた種族に生まれ、長い時を過ごしてきたにも関わらず、人間の肉体に封じ込められ、人間の本能に染まり切ってしまったという事実に顔を青くしてしまう。
「ほら、止まってないで腰振って♡ もっと俺を愉しませてくれよ♡」
「ひぎっ!? ぅああっ!! カラダが、勝手にっ! お゛ぉ゛ぉお゛っ゛っ゛っ♡」
動きを止めて戦慄くグレイに、イライザは耳元で息を吹きかけながら続きを要求する。今すぐ男根を抜き、行為をやめたいと思っている彼女の意思は、イライザの肉体から再び注ぎ込まれたフェロモンに支配されたグレイの脳には届かなかった。魂ではなく、脳だけが支配され、操られる。もはや彼女に自由はなく、イライザは今、肉体を奪い取られ、サキュバスの力に好き放題利用される哀れな人間の男に成り下がってしまっていたのだ。
「だめっ、だめぇっ! 私がっ、カラダに吸い取られるっ!! イヤぁっ! この私がっ……! こんなっ……!」
「ふふふっ……! もう出そうなんだな♡ これで俺は完璧にサキュバスに♡ 上級淫魔のイライザ様に生まれ変われるんだなっ♡」
性交を続ける肉体は遂に絶頂を迎えようと準備を始める。とめどなく精液を放出させられた精巣が再び精液を作り出そうと、グレイの肉体から栄養を、精気をかき集めはじめたのだ。それだけでは飽き足らず、自分の中にたまたまあった強力なサキュバスの魂の残滓さえ力に変えて、精巣で精液へと変換し始めた。
サキュバスとしての力さえ一滴残らず搾り取られ、遂に記憶や人格まで精液にねじ込まれようとしていたのだ。これを放出してしまえば、魂は「サキュバス」の「イライザ」ではなくなってしまう。代わりに肉体の持つ情報へと書き直され、「人間」の「グレイ」にすり替えられてしまうのだ。
二つの魂と肉体の新生を、ひとりは歓喜、ひとりは絶望をもって迎えようとしていた。
「だめぇっ! 出ちゃうぅっ! 私が、俺から抜けてっ、あぁぁっ、俺の精液が、わたしと一緒にっ!!」
「あははははっ!! 射精せっ!! 寄越せっ!! お前の全部を、俺にっ!! 今日からは永久に! 俺が! イライザを使いこなしてやるっ!!」
「いやっ! あぁあ゛あぁあ゛あ゛ぁ゛っ!!!」
絶叫と共にグレイの男根から精液が勢いよく飛び出していく。白目を剥き、ガクガクと身体を震わせて自身の魂の中から"不要"な「イライザ」の全てを吐き出し終えてしまう。
精液を膣内で受け止めたイライザの肉体は、人間の子宮口に位置するその場所でごきゅっ、ごきゅっ、嚥下音を鳴らしながら、それを体内へと吸収し、自らのエネルギーの一部へと作り替えていく。そうして取り込んだイライザの残滓を、一滴残らず体内に棲む魂へ献上する。遂に彼の魂はイライザの持っていた全てを奪うことに成功したのだ。記憶も、能力も、魂の容量も、全てを手に入れたグレイの魂を、イライザの肉体は自分に相応しい魂だと思い込み、自らへの完全な定着を始める。彼の魂を宿して生きていくこと、それがイライザという存在のあるべき姿なのだと、その身に刻み込んでしまったのだ。
「はぁぁあっ♡ ふふっ、うふふふふっ♡」
大きく息を吐き、イライザは邪悪で妖艶に笑う。続いて目の前で痙攣し続けている哀れな男の腹に足を当てるとそのまま彼を用済みだと言わんばかりに押し落とす。に゛ゅぼん、と男根が抜き取られ、未だ痙攣を続けたまま男はその場に倒れ込んだのだった。
「あはんっ♡ 思った通り、尻尾おまんこ気持ちいいっ♡ "私"の肉体ってホントに便利だなぁ♡」
未だ興奮でピンと勃ったクリトリスにおもむろに尻尾を近づけると、グレイから精力を吸い上げた時のように尻尾の先を広げ、覆い被せるように咥えさせる。
自慰行為をしないサキュバスのカラダで、彼女の新しい魂は思いついた自慰の方法を試しはじめたのだ。ヌルヌルに濡れた尻尾肉に包まれた陰核は強い刺激を受けて彼女の脳髄に快楽信号を叩き込む。
「じゃあ尻尾をこっちに挿入れても……♡ んひぃっ♡ これもイイっ♡」
本来のイライザの魂ならば絶対に知ることのなかった性知識を手に入れたイライザの脳は新しい魂を更に気に入り、二度と手放すまいと彼の魂との融合を試みる。つい先程のように不測の事態で魂を手放すということがないように。彼の魂に、自分の肉体を永久に使ってもらうために。
イライザの肉体を気に入ったグレイの魂と、グレイの魂を気に入ったイライザの魂は、元の肉体と魂の関係より強く固く、結ばれようとしていたのだ。もう1組がどうかはさておいて、彼女の肉体と彼の魂との相性はそれほどにまで抜群のものであった。
「あぁぁっ♡ まあイくっ♡ サキュバスなのにオナニーでっ♡ 尻尾に犯されてイかされるぅっ♡ これからもずっと♡ 嬉しいっ♡ オナニー大好きサキュバスとして生きていくのさいこぉ♡ んぁあぁぁっ♡♡♡♡♡」
もはや小便と見紛うほどに勢いよく、股間から愛液が放たれる。それはびちゃびちゃと情けない音を出しながら痙攣を続ける哀れな男の上にかかるが、もはや彼女にとってはどうでもよかった。捨てた身体の事など、不要になった魂の事など興味のかけらもなくなってしまっていたのだから。
「はぁーっ♡ おまんこも乳首もクリトリスも、まだまだイきたがってる♡ 脳みそを伝って俺に、まだイジれ、イかせろって叫んでるのがわかるぞ♡ ホントにお前はエロくて、最高の肉体だ♡ これからはずっと俺の新しいカラダとして使い込んでやるからなっ♡」
尻尾を再びクリトリスへとへばりつかせて、そのまま下着とドレスを纏い直して部屋に入る以前と同じイライザへと戻っていた。
尻尾が不自然に下着の中に入っていることと、魂が人間の男とすり替わっていること以外は、能力も、記憶も、見た目も、何もかもが元のイライザそのままだ。
「じゃあな♡ 俺の代わりにそのカラダで"グレイ"の短い人生を楽しんでくれよ? 俺は代わりにこのカラダで"イライザ"の長い寿命を愉しむとするからさ♡」
そう言って彼女はここにやってきた時と同じように翼を広げ、迷宮内を飛び去っていく。天井や壁のある建物での飛行であったが、サキュバスの能力を十全に使いこなす彼にとっては既に当然のものであった。もはや人間では追えない速度でイライザを操縦し、迷宮から外へと飛び出してしまう。
「ふふふっ……! このエロいカラダに、数百年分の膨大な知識、上級魔族特有の大量の魔力、全部俺様のものだ……! それに……!」
尻尾で股間を弄り回しながら、イライザは高速で滑空を続ける。魂にとって地上数十メートルの上空を数百キロの速度で飛ぶこと自体初めてのはずだが、サキュバスの魂から能力を奪い取ったお陰でそれすら当然のものとなっていた。
サキュバスの瞳を使いこなして森の木々を隅々まで見渡す。
「お? ちょうどイイところに……!」
彼女が見つけたのは森の奥で対峙する、乞食のようなみすぼらしい服を着た汚らしい盗賊の男と、金の髪をさらりと靡かせ、サファイアのような美しく輝くような瞳をした女騎士であった。追われていると思しき男に既に逃げ場はなく、彼にとってはいわゆる絶体絶命もいったところであろう。周りに人がいないことを確認しながら、空から2人へと近づいていく。
「さっき見た感じだと、こうして……こうかな?」
生まれた時から魔力などなく、魔法のことなど知識のかけらもなかった彼が詠唱すらすることなく自由に魔法を使えることに、本来のグレイならは驚いただろうが、イライザの全てを手に入れた今の彼にとってこの程度は当然のことだった。
サキュバスの眼は一度見た魔法の組成を理解し、自分のものにすることができる。彼女が"先程"見て、実際に体験したものならば再現することも難しくはない。
「ふふっ、上手くいったら楽しいなぁ♡」
「? なに、この光は……? 貴方、何かしたの!?」
「お、俺だって知らねえよ! 急に光りだして……!」
突然周りで魔法陣が形成され、光を放ったことに驚く2人。自分もそうだったな、などと勝手に懐かしみながら陣に魔力を流し込み続ける。
今から起こることを想像して、イライザは尻尾で下着の上から性器を撫でて自身の肉体を弄びはじめていた。
「な、なにこれ、何かが、私の中から……! むごごっ!!」
「うぁ……頭が、痛え……! ぅお゛ぇえっ!!」
「んっ♡ へぇ……! こうやって抜けるんだぁ……♡ んあぁっ♡」
股間からは愛液が溢れ、太ももを濡らして淫らな音を鳴らしながら、2人の口から靄のようなものが出ていくのを楽しそうに眺める。それはつい数時間前にグレイとイライザの間に起きたのと同じことだった。
盗賊から出た青い靄と女騎士から出た赤い靄がゆっくりと交差し、赤い靄が盗賊の無精髭の生えた汚い口に、青い靄が女騎士の瑞々しい唇をした美しい口に、それぞれ入り込んでいく。
自身の魔法が上手くいっていることに、そして2人の人生が大きく変わることに興奮を覚えて、尻尾は下着をズラして膣内へと潜り込んでしまった。
「んぐっ、んぐっ、ごっ、ぷっ……」
「んくっ、ぁ、がっ……ぐぷっ……」
「あはっ……この魔法すげぇ、すっげぇ……♡」
既にイライザの術中にある2人を観察すべく近づいていく。 2人の身体が他人の身体から出た靄を受け入れ、嚥下していく姿を見ながら、尻尾はピストン運動を速める。美しく長いサキュバスの脚から愛液が滴って地面に落ちるが、この空間にそれを気にするものはいなかった。
やがて全てが互いの中へと入り終えると、2人は膝から崩れ落ちる。魔法を完了させたことでイライザは暇になった両手で自分の乳首とクリトリスを摘んで本格的に自慰を始めてしまった。
「ん……っ……俺は、一体……?」
「な、なにが起きたの……?」
「ぉ、目を覚ました! 人間同士なら目を覚ますのも同じぐらいなのかな?」
イライザが空中で絶頂しているうちに、2人が目を覚ます。互いに困惑した様子だったが、少しずつ2人も状況を飲み込みはじめる。女騎士はにんまりと唇を邪に歪め、盗賊男の顔はみるみるうちに青くなっていった。そんな2人のうち、イライザは女騎士の側にゆっくりと近づいていく。
「くふふっ、どう? 新しい身体の入り心地は?」
「!? サキュバス!? ま、まさか、あんたがやったのか!?」
「ふ、ふざけないで! 私の身体、返してくださいっ!!」
降り立ったイライザに驚きながら、嬉しそうな顔で接する女騎士と、怒りながら詰め寄る盗賊男。女騎士と話をしようとしていたイライザは男の方をつまらなそうに一瞥する。
「んー、男の方は汚そうだし要らないんだよね」
「な、ん、あ゛っ……! カラダ、が……!」
イライザの瞳が怪しく光ると、盗賊男は身動きひとつ取れなくなる。サキュバス専用の能力であるチャームの力によるものだった。掛かってしまった男は抵抗すらできないまま脳を完全に支配され、身体を操られる。本来精力を吸うための力だが、今のイライザにとってはオモチャの使い方の一つでしかない。
「というわけで、君の新しいカラダを楽しもうぜ?」
「は? なにを……あっ……♡ へへ、そうですね……♡」
「んーーっ!! んんーーーっ!!!!」
そう言って今度は女騎士の方に目を合わせ、チャームを発動する。女性には効かない筈だが、魂か肉体、どちらかが男なら効力を発揮するのだ。先程より緩めたチャームは彼に状況を受け入れさせ、イライザと共に彼女の鎧を一つずつ落としてその美しい肌を外気に晒していく。
まるで何かに縛られたかのように身動きの取れない盗賊男は、女騎士が裸に剥かれていく様をただただ眺め、声にならない声をあげることしかできない。
「ふふ、良いねぇその綺麗な肌。このままお持ち帰りして性奴隷として使ってやろうかな?」
「へへ、何なりと申しつけてくださいよ。もうこの身体は俺のものなんでしょう? この女騎士様の鍛え抜いたカラダ、存分に堪能しましょうぜ?」
そう言って女騎士は下着さえ脱ぎ去り、男とイライザの目の前で恥じらいもなく全裸を晒し、イライザと肌を重ね始める。森の中には2人の女の嬌声と、男の悲鳴のような呻き声が虚しく響くだけであった。
女騎士はその日を境に行方不明となり、彼女の追っていた盗賊男は後日捕縛され、処刑される。それからも何度も、各国で少なくとも数百年に渡って美しいと謳われる女性達が攫われ、別の男が攫われた女性を名乗る事件が相次ぎ、男が処刑された。
結局彼女らは数年後自ら帰ってくるまで見つかることはなく、サキュバスの仕業などと噂されることもあったが、結局真相は闇に包まれたままだった。その犯人の正体が人間の男の魂であると知っている者は、この世には本人以外存在しないのだ。