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侵入・浸入

前のはちょびちょび支援所にあげていたので製作開始からアップまで全部スタンドアローンでやった初めての作品。





「お嬢ちゃん、ちょっといいかい?」

ある日の下校中、その人はそう言って私を呼び止めた。
脂ぎった肌、中年特有のだらしない体型、禿げた頭。……何より、舐め回すようないやらしい視線。
見た瞬間嫌悪感を抱くようなおじさんが、目の前にいた。
私は後ずさりながら、おじさんに応える。

「な、なんですか……?」
「んふふ、やっぱり君は可愛いねぇ。うん。決めた。君にするよ」

そういっておじさんは何かの錠剤を取り出し、飲み込んだ。
いったい何を飲んだんだろう、そう思っているうちに、おじさんはその場に倒れた。
受身も取らず、頭から血を流しながら、微動だにせずその場に倒れている。
怖い。恐怖に駆られて、私はその場を逃げ出してしまった。
心の中で「酷いねぇ」と思うが、恐怖が勝って、結んだ後ろ髪を激しく揺らしながら、とにかく走って家に辿り着いた。

「はぁ…はぁ…ふぅー……」
「あら、おかえり。……どしたの? 息切らしちゃって?」

なんとか家に着くと、お母さんが迎えてくれた。

「んーん。なんでもないの。なんとなく走っただけ。ただいま。」

とにかく、今はさっきのことを忘れたかったため、お母さんには黙っていることして、私の部屋に戻った。
部屋に戻るとどっと疲れが襲ってきた気がして、私はベッドに飛び込んだ。

「あぁ~っ……つかれたよぉ……」

全速力で走ったのだから当然だ。疲れた身体にベッドのやわらかさが染み渡る……

「それに、いい匂い……」

お母さんがシーツを洗ったのだろうか? 甘い、ふんわりした匂いに包まれる。
私はそのままベッドの香りとやわらかさに夢中になり、深呼吸しながらゆったりと意識を手放した……

「亜衣、亜衣、起きなさい、晩ご飯できたわよ!」
「ん、んぅ……」

誰かに呼ばれて、ゆっくり目を覚ます。
誰だろう、聞き覚えのある声だ。目を開けると

「ゎ、美人だ……」
「あんた何言ってんの? 変なこと言ってないでさっさと起きる!」
「ぁれ、母さん……ぁ、お母さん!!」
「もしかして寝ぼけてる? はやく起きて、晩ご飯冷めるわよ?」
「ぁ、ぅん、はい……」

寝ぼけてお母さんが他人に見えてしまっていた。確かにお母さんは美人かもしれないけど。まるで初めて会ったような気分になっていた。
っと、そんなこと考えてる場合じゃない。晩ご飯が冷めるって言ってたんだ!
私はベッドから飛び起き、階段を降りて食卓に向かった。
食卓には既に妹の舞とお母さんが座っていた。

「やっと来た。もうほとんど舞に取られたわよ?」
「てかおねーちゃん、何で制服着替えてないの?」
「え? あー、えへへ……疲れてついそのままベッドに…」
「ええ、おねーちゃんおバカさんじゃん……」
「きょ、今日は仕方ないの!」

そういって食卓に座る。うわ、ホントだ。舞にほとんど持ってかれてる……

「麻婆豆腐ならもう少し早く起こしてくれれば良かったのに……」
「何回か行ったけど後5分って言ってばっかりで起きてこなかったじゃない」
「えー……うぅ、ごめんなさい……」

仕方がないので麻婆豆腐の残骸を集めて食べる。舞もここまで蹂躙しなくてもいいのにぃ……
散々な一日だ。小テストは微妙だったし、せっかく部活もないからと早く帰ったら変な人に出くわすし、そのせいでご飯はこんな目に遭うし。
しばらくもぐもぐしていると舞は食べ終わってさっさと自分の部屋に戻っていった。むう……
疲れたとはいえ、ぐっすり眠りすぎた。でもすごく気持ちよかった。何でだろう、あの匂いのせいなのかな?

「あ、そうだお母さん、ベッドのシーツ洗った?」
「え? どうして?」
「いや、何かいい匂いするなーと思って。」
「洗ってないわよ? いい匂いって、どしたの?」
「そうなの? なんか甘いにおいするなーって思ったんだけど……」
「さては飴でも食べながら寝たわね?」
「ちっちゃい子じゃないんだし、そんなことしないよぅ!」

あれ、洗ってなかったのか。じゃあなんだったんだろう。気のせいなのかな?
まあいい匂いだったし、問題ないか! そう思って考えるのをやめた。

晩ご飯を終え、部屋に戻ると、宿題をして、雑誌を読み始める。
手に取ったのはファッション誌。

「ふーん、この娘、かわいいな……うわ、これ、やば…」

服を見ているはずなのに、どうしても映っている女の子に目がいってしまう。
さすがにモデルだけあってかわいいし、服もたまに露出の多いものがあって、なんだかドキドキしてきた……

……そのとき

「おねーちゃーん、お風呂あいたよー?」
「うわぁ!!? あれ、ま、舞……!?」
「あっははっ、おねーちゃん何ビックリしてんのさ」

舞が入ってきた。いつも通りのはずなのに、やけに驚いてしまう。変な気分になってたからだろうか。
しかしそれより問題は舞の格好だった。バスタオル1枚で上を隠し、下はパンツ1枚。こんなの……

「ま、舞、その格好……」
「え? どしたのおねーちゃん、いつも通りじゃん。え、なーに、舞のカラダ見てこーふんしたの?」
「そ、そんなわけないでしょ! てかそのセリフなに!?」
「えー? おねーちゃんがおにーちゃんだったら今頃おそわれてるなーって」
「何言ってんのあんた……」

そう言ったものの、あっけらかんと笑う舞を凝視してしまう。
妹といっても14歳。だんだん女の子から脱却する頃。おなか周りはまだぷにぷにそうだが、体のラインは……
はっ……私、何考えてるんだ……!

「と、とにかく、準備したらすぐ入るから、もう戻っていいよ!」
「そーお? もっと見てもいいよぉ?」
「はぁ……湯冷めするよ?」
「ちぇ、はーい」

そういって舞を追い出し、身の回りを軽く片付けて脱衣所に向かう。
いつものように服を脱いだ辺りで、鏡に映る自分が目に入った。

「……えへ」

鏡に映る自分が、なんだか無性にかわいらしい。ので、そのままちょっと微笑んでみた。
そのまま舌を出したり、頬を膨らませたり、しばらく自分の顔で遊ぶ。
しばらく顔で遊んでいると、興味は首から下、自分の身体へと向かっていく。

「……舞を見たとき思わずドキドキしちゃったけど、私って結構……」

そう言いながら、下着姿の自分を眺める。
平均的な16歳より少し大きい胸、女の子らしく括れたライン。
なめらかで瑞々しい肌。

「はぁ……えっちな身体つきしてるなぁ……って、自分に何言ってんだ…でも……」

こんなにかわいらしい顔つきにえっちな身体つき。これで興奮しないのは逆におかしい。
そう勝手に結論付け、自分を凝視する。
下着の中で乳首が勃っているのが伝わってくる。
そのまま、チラリとブラをめくって乳首を確認する。

「あはっ、スケベだなぁ……チンコみたいに勃起して、乳輪までぷっくりしてるぅ……」

本能的にこのままではまずくなると感じ、下着を脱ぎ去ってお風呂に移動する。
パンツが透明な糸を引いていたがバレないだろうと思ってそのまま洗濯機に放り込む。
開放されたおっぱいがプルプル揺れて勃った乳首が空気と擦れて、甘く痺れるような感覚が背筋をゾクゾクさせる。
このままでは寒いため、シャワーを出すことにした。

「ぁ、あぁーっ……! これ、いいっ……」

偶然、出た瞬間に敏感になった乳首に直接シャワーが当たってしまった。
先ほど以上にゾクゾクした快感が背中を駆け巡り、パチパチと脳内に襲い掛かってくる。
気付くとシャワーを持っていない左手は勝手に乳首を刺激し始めていた。

「はぁん、これ、やば、すっご、えろっ……」

脳が快感でピンク色に浸されていく。こんなのおかしい。思考がまとまらなくなっていく。でも手は止まらない。
自分の中できもちいいか、そうでないかでしか物事が判断できなくなっていく。こんなの、初めての経験だ。
情報処理が追いつかないまま、意識が気持ちいいと気持ちよくなりたいに支配され、左手は股間へと向かっていく。
抵抗するまでもなく、シャワーの音に隠れながらも「ねちょっ」といやらしい音を立てて、左手はそこに侵入した。

「んぅうっ!!」

目の前がチカチカしてくる。
自分自身の手で、自分自身の快感によって、自分はこんなにすけべな女なんだと分からされるような気分になる。
しかしソレがたまらなく気持ちいい。すけべな女で良かったとすら思えてくる。

「ああっ、きもちいい、きもちいいよう……!!」

声に出せば出すほど、自分の手で気持ちよくなっていることを、自分の手に気持ちよくされていることを意識して、なお気持ちが昂ぶる。
こんなに激しく弄ったことなんて今までなかったのに、初めてのはずなのに、すごくきもちいい。
こんなの知ったら病み付きになってしまうかもしれないけど、それでもいいやと思って、きもちいいに身を任せ、私を貪る。

「ぁ、これ、ヤバ、クる、キてるっ!! え、スゴいっ、これっ……んひっ、やっ、イっちゃ……ッッッ……!!!」

ビクン、と身体が跳ね上がり、プシャ、プシッとおまんこから液体を放って、私は今まで感じたことのないように強烈にイってしまった。
気絶するような強烈な快感が脳に直接流れ込み、処理しきれずに数瞬意識を手放してしまうほどの快感だった。
実際2、3度イったのかもしれないけれど、何かが仲介して意識がトぶのを繋ぎとめてくれているようで、本当に意識が飛んだのは数瞬で済んだ。

「ハッ……ハッ……はふぅーっ……私って、こんなに、きもちいいんだ……えへぇ……」

自分がこんなにスケベな身体に生まれてきたんだという事実に驚き、うまく同調できていることに嬉しく思う。
でもこれ以上はまずいかもしれない。オナニーに時間をかけ過ぎてしまった。お母さんに長いと怒られてしまう。
興奮する自分をなんとか抑えつけ、髪と身体を洗ってお風呂から出ることにした。

お風呂から出て、パジャマに着替えて髪を乾かし、再び自分の部屋に戻ってきた。
ベットの、ちょうど全身鏡の映るところにボフッと座る。
星柄のパジャマを身に纏って、髪をほどいた私が映っている。平均より少し大きい胸が強調された華奢な女の子の姿。

「やっぱり可愛いな。……えへ、こうして……」

おもむろにパジャマの胸元を開け、鏡に映す。
はだけたパジャマから谷間が覗けて、いかがわしいことをしている気分が高まってドキドキしてくる。
実際いかがわしいことなのだが。
身体を縦に揺らすと、胸もプルプルと揺れ始める。時に小刻みに、時に大きく。
自分の揺れに合わせて揺れる双丘を凝視しながら、パジャマと乳首がこすれる感覚も同時に味わう。

「はぁっ、ん、ふっ……」

声がだんだんと上気してきて、先程のように私で私を誘っていく。
段々と鏡に近づいていき、紅潮しきった自分の顔を眺める。

「はぁーっ……、スケベな雌の顔っ……えっちで、かわいいなぁ……んむっ…」

感極まって、鏡にキス。ひんやりした感触が唇に触れ、目を開けるとだらしなく上気してキス顔を晒す私の姿があった。
私のキス顔ってこんななんだ。意識するとだんだん気恥ずかしくなって、口を離した。
鏡についた唇のあとも恥ずかしさを助長して、すぐに拭いて消した。

「うう、私、何してんだよぉ……」

それでも、鏡に映る自分に目が離せない。
遂に、パジャマの胸元を大きくはだけさせてしまう。

「あぁ……これっ……すっごいすけべだぁ……」

綺麗な肌に彩られた鎖骨から広がる、女の子らしい骨格のライン。
ゆっくり撫でてみるとゾクゾクゾクッっとまた背中が跳ね上がる。
乳首が見えるか見えないかのギリギリのラインで身体をくねらせ、誰でもない自分自身を誘惑していく。

「んふっ、これ、すっごい楽しい……!」

そのまま誘う踊りはエスカレートし、ボタンが一つ、また一つと外されていく。
ボタンが全て外れ、上半身があらわになると、手で胸を押さえて揉みしだくように踊り続ける。
段々と身体が興奮し始め、熱い吐息をこぼし始めると、乳房を揉みしだいていた手はその先端を刺激していた。
こり、こり、とそこを刺激するごとにシャワーの時に感じた甘い電撃のような快感が脳髄を駆け巡っていくのが明確に分かる。
身体も、心も、自分を好き放題犯すことしか考えられなくなり、遂にズボンに、そしてパンツに手をかけた。
ずりおろしたパンツと股間の間には愛液が垂れ、とろりと透明な橋ができる。
むわ、と香る甘ったるいほど濃厚な雌の匂いに頭の中が支配されて右手を欲しているそこへと送り込む。

「ん……ぁ、ひゃ…ぁ……あっ……!」

ぴちゃぁ、という音とともにそこはぷにっと右手を受け入れて、受け入れた事実を快感の信号としてお腹を、胸を、首を伝って頭の中に流し込む。
シャワーのときより強烈な快楽がピリピリと脳を焦がしていく。思考がぜんぜんまとまらない。
右手の行為はどんどんエスカレートし、ぐちゅぐちゅとすけべな音を漏らしながら、きもちいいを求めつづける。

「あっ……あ゛ーっ……これ、い゛い゛っ……!! すごっ……い゛っ……!!」

口元はだらしなく涎をたらしながら、心は気持ちよさの中に溺れてしまう。
右手は勝手にうごいて、私の脳が求めている快楽を得ようと股間のぷにぷにを貪っていた。

「ぁ、これ、キたっ……わたし、また、イ゛っっッッ!!!」

大きく悲鳴のような声を上げ、ベットの上で身体を反らしてビク、ビクと痙攣しながらまた、イく。
今日2回目にして、さっきよりも強烈な刺激が直接脳に響き渡り、反響して、自分という存在が快楽に支配される。
まだまだ気持ちよくなれる。これが、女の子の絶頂なんだ。そう思って余韻に浸ろうと、突っ込んだままの右手を……

「んあっ!? え、うそ、これ、まだ、気持ちよく…っ……ひゃうぅん!!」

股間から引き抜こうと動かした右手が擦れる感覚が絶頂を経て敏感になった神経に刺激を走らせる。
先ほどよりも鋭い快楽が再び脳に襲い掛かる。
その感覚と同時に右手は私の制御から離れ、再びその快楽を得るべく濡れたままの肉壷を攻めはじめた。

「やだ、これっ……んっ、ぅあぁ……」

直接脳を触って快楽を得ているような、強烈で純粋な快感に理性が、自分が更に崩れていく。
崩れたところに何かが塗りたくられ、固まっていくような気がする。
オナニーしているというよりも、もはや犯されている感覚のほうが強かった。
右手は私の命令なんて知らないと言わんばかりに、ただただ私の身体を、欲望の赴くままに食べ尽くしていた。

結局、私の身体が疲れで音を上げるまで、私は快感から開放されることはなかった。
時間にして約2時間の間、私は私の欲望に陵辱されていたのだ。

「はぁ、はぁ、はぁーっ、はふぅーっ……」

しかし私はとてつもない満足感と充足感を味わっていた。
ベットに仰向けになり、何度も味わわされた絶頂の余韻と疲労感を一身に受ける。
まさかここまでヤってしまうとは思わなかったが、そもそもこの身体が、女の身体が際限なくイけるのが悪いのだ。
身体がベットの布に、下着に、パジャマに触れるごとに送り込まれる気持ちよさにもう疲れてるし無理だぞと言い聞かせ、なんとか眠りについた。

次の日の朝。目覚ましに起こされる形で目が覚める。
まだすこし身体がだるかった。昨日はまるで獣のようにオナニーしてしまった訳だし、当然といえば当然か。
あそこまで濃厚なのはもうやめておこう。意識がぐちゃぐちゃになるのはかまわないが、身体がもたなくなってしまう。
折角の。私の。大事な身体なのだから。もっと慎重に、大事に扱っていくべきだろう。
そう思いながらベットを降り、嫌々ながらもとりあえず立ち上がる。

「……おっぱい重っ……」

疲れているせいで、プチ自慢だった胸をわずらわしく感じながら、全身鏡の前に移動し、制服に着替え始める。
パジャマを脱いでブラを着ける。パンツは……うぇ、まだ少しねとっとしてる。替えよう。
上に制服を着て、パジャマを持って部屋を出る。途中洗濯機にパジャマと下着を放り込んでリビング到着。
リビング着くとキッチンにいるお母さんが見えた。

「おはよー……」
「おはよう……って、大丈夫? すごい疲れてるように見えるけど」
「んー、ちょっとね……」
「……夜更かしして変なことしてないでしょうね?」
「え? してないよぉ」
「ホントに?」
「…………」

「おかーさん、おねーちゃん、おはよー!」
「舞ぃー!!」

危ないところに舞が入ってきた! さすが私の妹ぉ!!
意図せずとも助けに来た舞に感謝の意をこめて抱きついた。

「ぐぇっ……お、おねーちゃん、おっぱい苦し……ぐぅ」
「うわ、お母さん! 舞が死んだ!!」
「あんたが殺したんでしょう……」
「勝手に殺すなぁ……」

そんな話をしているうちに朝ごはんができた。今日はベーコンエッグとパン。普通だ。
朝のニュースを見ながらぽけーっと朝ごはんを食べ、舞と一緒に家を出た。
通学路を歩いて暫くすると、昨日なんだかよく分からない中年のおじさんに呼び止められた所を通る。
いつも通りの通学路を通ろうとすると、否応なしにここを通ることになる。やっぱりちょっと嫌だな……
角を曲がると辿り着くそこには……何もなかった。

「え……?」

あれだけ頭から地面に勢いよく倒れこんで、頭から血も出ていたのに、1日経っただけのそこには何もなかった。

「おねーちゃん? どしたの? キョトンとしちゃって?」
「あ、えっと、んーん。なんでもないの」

横から舞が呑気そうに話してくる。
特に話すようなことでもないため、なんでもないということにして、その場を後にした。

しばらく歩いて、分かれ道で舞と別れ、何人か友達と挨拶を交わしながら学校に着いた。
学校に着いて少しすると、授業が始まった。……のだが、なんだろう。いつも以上につまらない。
なんだろう、この感じ。分かっていることをもう一度言われているような、そんな暇な感じ。
結局ノートを書くのも面倒臭くなって、机にぐでーっとのしかかる。
のしかかった胸元から、ものすごい圧迫感。を、興味深く思って、これで遊んでみることにした。
机に垂直に身体を合わせ、身体を上下させる。胸が机にぶつかって、ばいーん、ばいーん。なんだこれ、楽しい。
もう一度、胸を持ち上げ、机に落とす。私のおっぱいはブラに包まれながらも、ブラウスの中でプルプル震える。

「……ぁは……」

プルプルする胸の先端の感触に思わず少し声が漏れてしまった。さすがにこれは聞かれたらまずい。
しかしドキドキしていた私はなぜだか止まらない。ブラウスの中に手を突っ込み、胸の先端を、摘んで……

「んぅ……」

授業中にオナるとか、痴女じゃん……そう思う理性を無視して、本能で自分を慰めてしまう。
声だけはなんとか抑える。それがせめてもの抵抗だった。
手の動きはどんどん激しくなり、こりこりと乳首を刺激してくる。
ダメだ、これ、すごい気持ちいいしやめたくないけどこんなの絶対ばれる。
少し考えて、胸はまずいと考えた私は、乳首を攻めていた手でシャーペンを握る。
掴んだシャーペンごとスカートの中に突っ込み、キャップ部でゆっくりパンツの上を撫でた。

「ッッ!!!」

ただそれだけのはずなのに、体中が昨日よりゾクゾクゾワゾワしてる。これ、まずいって。
手が、止まらない。止めたいのに、こんなのダメだって分かってるのに、止められない。止まらない。
ぷに、ぷに。と少し離して、つついてすると身体中がこの感覚を歓迎しているのがよく分かる。

「はぁーっ、はぁーっ……」

昂ぶるままに、シャーペンを握る手に力がこもる。つぷぅっ、とシャーペンがパンツを巻き込んでおまんこに入ってくる。
はじめてなのに、指以外がここに入るなんて、初めてなのに。湿ったパンツの布地と肉が触れ合う感じがとてつもなくきもちいい。
ホントにヤバいって……! 机の上で、今、私、トロットロの、凄い顔してるよぉ……
それでも、シャーペンをぐるぐる回していじり続ける。声を抑える代わりに身体はビクッ、ビクッとはねる。
もう止められないことは諦めたけれど、このままここでシきってしまったら絶対にダメだ。

「はぁ……、はぁ……せんせぇ……、トイレ、いってきて……いい、ですか……?」
「あ……ああ……んー、具合が悪いなら、保健室にも寄ってきなさい。」
「はぃ……」

体調不良か何かと判断してくれたのだろうか、なんにせよとにかく早くこの場から去りたかった。
途中で保健委員の真紀ちゃんが着いていったほうがいいか聞いてくれたが丁重にお断りした。
今の状態で2人きりになんてなったら真紀ちゃんを犯しかねない。
私はヨロヨロと、なんとかトイレに辿り着いた。トイレの前で一瞬迷ったが、桃色のほうに入った。
個室のドアを閉め、便座に座る。

「はぁーっ、はぁーっ……」

お預けを食らった身体はドクドクと疼きを増し、今にも貪り尽くしたいと欲望が溢れ出してくる。
とにかく、このスケベな身体を鎮めなければ。そう思い、パンツをずり下ろす。
案の定パンツはベッタベタで、これから使い物になるかは怪しかったが、今はそれどころではない。
教室からここまで、長かった。やっと、直接触れる。

「じゅる……」

ヨダレが溢れて、なんとか食い止めようとしておそろしく下品な音が鳴った気がする。
だがそんな些細なことで、股間に向かった手も私の興奮も止まらない。
ぐちゅり。指を差し込むと、さっきより強烈な快感が脳髄を突き抜けて身体が打ち震える。

「あはぁーっ……これだぁ……」

また、この感じ。頭の中ですけべなスイッチが入って、気持ちよさとそれを求める気持ちでいっぱいになって、右手は私の制御下から離れる。
今度は右手だけではなく、左手まで私の命令を無視しだして、ブラウスの中に潜り込み、下着に隠された乳首を攻め始める。
右手がくちゅくちゅとおまんこを攻め、2つの気持ちいいが頭の中で泡のようにぷくぷくと増え始める。
そして、おまんこの上で、ちょこんと準備万端になっているクリトリスをはじいた。

「イ゛ッ……ヒッ……あ゛あ゛っ……これ、凄っ……!」

はじいた瞬間、頭の中の気持ちいいが一気に破裂する。一つじゃない。溜めた全部が! やばいこれっ、味、覚えちゃう……っ!
新しい方法を覚えた両手は、再び執拗に性器を攻め立て、気持ちいいを頭の中に溜め込んでいく。
そして今度は、興奮でさっきより少し大きくなった気がするクリトリスを、キュッと摘んだ!

「ィ゛……あ……が…………っ、かひゅっ……! はぁーっ!!、はぁーっ……」

頭の中で気持ちいいが暴発して、バチバチと視界が真っ白になったと思ったら一瞬、呼吸することすら出来なくなっていた。
昨日よりも激しい絶頂に、未だ頭の中で考えがまとまらない。こんな感覚、40年生きてきた中で感じたことなんてなかった。
あまりに強烈な絶頂感と優越感に思わず笑みがこぼれてしまう。でもさすがにヤりすぎた。
お風呂、就寝前、そして今。どちらの意味でもバレてしまったら面倒だ。
とにかく、教室に戻ろう。そう思ったのだが、べちょべちょの右手を見て、ふと匂いを嗅いでしまう。

「すぅーっ……あはぁ……私って、ほんとすけべだなぁ……」

特濃の雌の香りだ。粘液特有の臭いの中に私の匂いが凝縮されていて、やば、ムラムラしてきた……
……っと、ダメだダメだ。少なくともしばらくは控えないと。時間は有限ではないんだし、急ぐ必要もない。
なんとかカピカピになっていたパンツを履いて、手を洗って教室に戻った。

教室に戻る途中で終業のチャイムが鳴って、休み時間になった。
何人かから大丈夫?と聞かれたので適当にかわし、席に着くと女の子が一人こちらに歩いてくる。
このクラスで一番仲のいい由香だ。

「亜衣、大丈夫? さっきなんか凄い辛そうだったけど」
「うーん、寝不足とかかも……今日の体育は休むつもり」
「そっか、うん。それがいいよ。亜衣の大事な身体に傷がついたらそれこそ大変だもん」

由香はそう言ってぎゅっ、と手を握ってくる。
いつもはなんか近いなぁと感じていたが、今は少しだけ嬉しい気がする。手がちっちゃくてやわらかい。
あと髪が綺麗だ。それなりに伸ばしている私より更に長くてサラサラの髪。
そう思っているうちに、握られていないほうの手が伸びて……うわ、手触りすご……

「ぁ、亜衣……?」
「……はっ…! ご、ごめん」
「う、ううん。亜衣になら、いいけど」

声をかけられるまでほぼ無意識に髪を撫でていた。
と、とにかく……なんとか他愛ない話にそらして、休み時間が終わった。

授業は国語。やはりといった感じで先ほど同様つまらなかった。
それでも、さっきの数学よりはつまらなくなくて、とりあえずといった感じでボーっと話を聞きながら文を読んでいた。
しばらくすると、授業で進んでいる箇所を無視して読み進んでいく。

「じゃあここを……藤沢」

げ。当てられた……国語で当てられるときは大体読めってやつだ。
ボーっと聞いてた時はこの辺のはずだったから……
考えていると、ふと由香が何かを指しているのに気がついた。そこを読めばいいのか!
やはり持つべきものは友人だねぇ、としんみりしながらさっさと読み終わり、席に着く。
1回当たった以上この授業中に当てられることはないだろう。そう思い先生の話を無視してさっき読んでいた文を読み始めた。
授業の終わりごろになって、なにやら紙が配られた。漢字テスト……?
そういえば先週辺りに何か言ってたような……? これかぁ。
一通り見てみたが特に難しいものでもなかったのでさっさと解いて再びボーっとする。
一応テスト中だし、何か読んだり出来ない分尚更やることなくなっちゃったなぁ……
半分眠りかけたくらいでやっとチャイムが鳴って、答案が回収された。
そのまま寝ちゃおうかと思ったところで由香がこっちに来た。さっきの恩もあるので由香ならしょうがない。

「由香、さっきはありがとね。ホント助かったよぉ」
「えへ、いーよいーよ。それよりさっきのテスト、どうだった?」
「んー、今日のは簡単だったし別に思うところは無いかなぁ」
「え、うそ? 今日の難しくなかった?」
「あ、あれ? 何か引っ掛けあったっけ?」
「んー、そんなんじゃなくて、単純に難しかったっていうか……」

由香は学年成績トップ。その由香が難しいと言ってたけどやはり簡単だった気がする。
そもそも今日のやつって会議用に資料作ってたときとかによく使うような漢字な気がしたんだけど……
ううむ、やっぱり妙に冴えてる気がするせいなのかな?

結局その後の授業も難なくこなし(体育は休んで)放課後になった。
私は水泳部で、うちの学校はなぜか校内に室内プールがある。体育は休んだのに部活には行くのだ。
教室で着替えを準備して移動し、更衣室のドアを開け……

「亜衣ちゃん!? そこ男子更衣室!!」
「え……うわっ!!」

同じ水泳部1年の美紀ちゃんに声をかけられてハッとした。私女子じゃん……

「もー、なにやってんのさ!」
「あ、あはは、ついボーっとしちゃって……」
「ボーっとしてても半年通った更衣室間違えるかなぁ……亜衣はかわいいんだから、男子更衣室なんか入ったらひどい目に遭っちゃうよ?」

それは変な漫画かなにかの見すぎではと思うのは黙っておいて、美紀ちゃんに手を引かれ女子更衣室に入っていく。
更衣室は塩素の臭いしかせず、少し残念におもったがそんなことは置いといて着替えることにした。カピカピのパンツともしばらくおさらばだ。
……と、制服を脱いでいる時にふと美紀ちゃんに目がいった。見えた美紀ちゃんはちょうど下着姿だった。
私ほどは大きくないけれどそれなりに膨らんだ胸。水泳部ならではの引き締まった健康的な身体つき。
ミドルくらいの量で切りそろえられた髪から覗かせる整った顔立ち。
あれ、私の友達、レベル高くない……?
そう思っているうちにも、美紀ちゃんは下着を脱ぎ去っていく。なぜだか、ドキドキがとまらない。
見てはいけないものを見ているような感覚に酔いしれながら、着替える美紀ちゃんを見続ける。

「あれ、亜衣ちゃん? 着替えないの?」
「え、あ、う、うん……」
「んー? もしや……何見てたのさ、えっち。」

そういって胸を隠しながらニーッと笑う美紀ちゃん。そのポーズと顔逆に凄いそそるんですけど。
そう思って、今度は美紀ちゃんをガン見してしまう。

「あ、あの……亜衣、ちゃん……そんなに見られると、やっぱり恥ずかしい……よ?
 私も、亜衣ちゃんのこと、見ちゃうよ……?」
「いいよ。一緒に見ようよ。一緒に、おかしくなっちゃおうよ。」
「ふぇ……あ、亜衣ちゃん……」
「美紀ちゃん、綺麗……」

そのまま近づいて、美紀ちゃんの肌に触れる。
お腹辺りの透き通るような白い肌をゆっくりと撫でると滑らかな感触が伝わってくる。
ゆっくりと、力を入れる。美紀ちゃんの肌の奥の、神経に伝えるように。
ここ、気持ちいいでしょう? わかるよ。だって同じ女の子だもん。

「っ、ふぁ……だっ、だめっ、亜衣ちゃんっ……」

口ではダメと言っているが、手は口元でぎゅっと結んで、全く抵抗の様子を見せていない。
美紀ちゃんの頬は紅潮しており、潤んだ瞳で懇願するようにこちらを見ている。
正直すごいかわいいし興奮するが、これ以上は人が来るかもしれないし、止めることにした。

「……誰か来るかもしれないし、止めとこっか」
「ぇ……ぁ……う、ぅん……そう、だね……」

名残惜しそうな顔でこちらを見る美紀ちゃんを尻目に、さっさと水着を着て美紀ちゃんを待つ。
結局諦めた美紀ちゃんも水着を着始めた。
あんな途中で止めちゃったら、これからしばらく大変だろうな、そう思いながら、もじもじする美紀ちゃんを連れて更衣室を出た。
部活中は特に変なことが起きるわけでもなく、着替えて帰宅することになった。
強いて言うなら水着の締め付ける感覚にまだ慣れていないなと思った程度だ。
相当昔に、パンツ1つで泳いでいたような気がしてて、その時に比べるとだいぶ窮屈な気分だった。


「たでーまー」
「ただいまぐらいちゃんと言いなさい」
「おねーちゃんのおっさん化が進んでいる……」
「そんなこといっても、疲れたんだよぉー」

家に帰ると台所にお母さんが、リビングに舞がいた。
だらしなく座る舞の、キャミソールから覗く胸元に思わずドキッとして、凝視してしまう。

「なにボーっとしてるの、早く鞄置いて、着替えてこないと今日もおかず舞に持ってかれるわよ?」
「ホントだっ! 今日は渡さないからねぇ!」
「張り切ってる暇あったらさっさといけばいいのに」

かわいげのない舞を無視して鞄を置いて速攻で着替えてリビングに向かう!
勢いよく食卓につく。お母さんと舞がなぜかニヤニヤしている……? え?
……今日の晩ご飯は、親子丼だった。取り合う要素などどこにもない。

「騙された……」

悲しみに暮れながら、「いただきます」と一言言ってお箸を持って親子丼を食べようとする。

「あれ? おねーちゃんお箸派だっけ?」
「え……あれ? 何でお箸取ってるんだろ……?」
「おねーちゃん大丈夫? 最近なんかぼーっとしてない?」
「じょしこーせーは疲れるの!」

そう言ってお箸を片付けてレンゲを持ってくる。うん、この方がしっくり来る、よね?
あれ、ホントに私、レンゲで食ってたっけ……? 久しぶりだからかな?
とにかく不思議と違和感のあるレンゲで親子丼を食べ終わり、舞と一緒にテレビを観る。
テレビを観ていると、ふと舞が目の前にいることを意識してしまった。
さっきも気になった舞の胸元が、異様に気になってくる。見れば無防備に胸元が開いており、桜色の乳首が……見えたっ!
無防備な舞の身体に興奮した私の手はすぅーっ……と舞の肩へと伸びて……

「ひゃっ……ぇ、おねーちゃん……?」
「舞、肌きれいね……つるつるで、もちもちしてる……」
「あっはは、なんか今日のおねーちゃんすごいおっさんっぽいよー?」
「もしかしてほんとにおっさんかもよー?」
「ほんとならこんな触ってくるとかとんだスケベおやじじゃーん」
「げっへっへー、よいではないかよいではないかー」
「んっ、もう、ばーか、ひゃぁ、よーしこっちも……」
「あはははっ、ちょ、やめ、んぅ、ぁ、そこは……」

少しくすぐりながら舞の肌の感触を堪能する。
舞からも仕返しと言わんばかりに身体をまさぐられる。感じるところに手が当たり、変な声が漏れてしまう。
私の中の何かがおかしいと警笛を鳴らしているような気がするが、気のせいだろう。
普通の姉妹ならこれくらいやるよ。うん。

「2人とも、前におばさんから貰ったリンゴ切ったわ…よ……うーん、お母さんあなた達の将来がちょっと心配になってきたわ……」

お母さんがリンゴを持ってきた頃には、私達はお互いくしゃくしゃに服をはだけてまさぐりあっていた。

「いーもんいーもん、誰も貰ってくれなければおねーちゃんに貰ってもらうもん」
「舞……」
「ホントに大丈夫かしらこの2人……」

いつもからかって来るけれどちゃんと私のこと好きなんだなと再確認して気をよくするがお母さん的には心配らしい。
この後舞に一緒にお風呂に入る提案をしたら二つ返事でOKを貰えたがお母さんに真剣な顔で止められたため断念した。

仕方がないので先に入る舞があがるまで部屋で待つ。
お風呂は好きだ。以前まではもっと面倒くさがっていたような気がするが、今はむしろ待ち遠しい。
そもそも面倒くさがってたのっていつだっけ。なんだか遠いような、近いような、不思議な感じがする。
考えているうちに、それなりに時間が経っていた。舞もそろそろあがるころだろうと思い、着替えを用意してお風呂に向かう。

「おわ、おねーちゃん!」
「わ、おぅ、舞!」

脱衣所で、ちょうどあがったばかりで裸の舞に出くわしてしまった。
思わず凝視してしまう。同時に私の中で何かが変わっていくような感覚がして、心臓がバクバクする。

「身体拭いて着替えて、すぐ出るから、気にしないでね……?」

上目遣いで見てくる舞。正直エロい。今すぐ組み伏せて孕ませてやりたいような衝動に駆られる。
この気持ちはいったいなんなんだろう。絶対おかしい筈なのに、この感覚こそ普通のような気がしている。
舞も見られていることは分かっているようだが、それでもここで着替え、リビングに戻っていく。
出ていき際に「お母さんには内緒だよ」と囁いてきたその言葉が、頭の中で何度も何度も反芻される。

「私、なんで、こんなに、妹に……」

確かに、ここ40年、実物の女の裸なんて自分以外見たことがない。しかし妹に欲情してしまうなんて……
頭の中が熱い。グルグルする。ムラムラする。とにかくと急いで服を脱ぎ、お風呂に入る。
息を荒げながら、シャワーの前に座る。曇った鏡を拭いて、私の姿を映す。
先ほど見た舞より成熟した、綺麗な女の子の身体。鏡に映るいつもの自分に、違和感と情欲を覚える。

「私の心臓、止まんないよぉ……」

ドキドキとムラムラがとまらない。心はこのスケベな身体つきの私を犯したいと思っている。
対して身体はキュンキュンと疼き、犯されたいと示している。
確実に、何かがおかしい筈なのに、何がおかしいのかが分からない。
とにかくすっきりしたい。この疼きを、何とかしないといけない。
私の手は、自然と私の股間へと伸びていった。

股間からはトロトロとつゆが溢れているのが感覚でわかる。この身体も、欲しがってるんだ。
濡れそぼったそこへ、ゆっくりと指が触れる。身体と心に喜びの気持ちがあふれ出し、甘い声が漏れる。

「んっ、ふぁ、はぁ、きもち、いいよぃ……私の、からだ、んっ、はぁ、はぁ、すっごい……」

何か、とても大事なものが溶けているような、そんな感覚に包まれるが、それが何なのか分からない。
分からないまま、私は私を貪っていく。以前には考えられなかったくらい、頭の中はエッチなことでいっぱいになっている。
こんなに可愛くて、こんなにエッチで、こんなに気持ちいいなんて、女の子ってズルい。
あれ、ズルいってなんだ。私は、女の子じゃん、産まれたときから、ずっと。あれ?
頭の中に映像が流れる。必死に肉棒を扱いて、ピュッと出て終わる感覚。醜い身体の感覚。
なに、この映像……記憶、なの? なんの……?
分からない。でも、今の私は違う。鏡を見てもエッチな女の子が必死にその肢体を慰める姿だけが映っている。
仄暗い優越感に頬が緩んでしまう。私、私に生まれてよかった。

「こんなに、気持ちいいのっ、おじさんだったら味わえないよね、だってこれ、女の子だけの気持ちよさだもんっ!」

気持ちよさと一緒に、私の中で何かが崩れている。でも全然悪い気分じゃない。もっと、もっと。
崩れたそこに、何かが流れてきて、解けあって、溶けあって固まる。

「ふあぁぁっ! 素敵、ステキ、すてきっ!! 私を選んでよかった! 私が選ばれて、よかった!!」

頭の中がきもちいい漬けにされて、堤防のようなものがなくなって、私の心がトロトロと溶けていく。
溶けた私に何かが混ざる感覚は、だんだん何かに混ざっていく感覚とごちゃごちゃになる。
まざっていくのがきもちいい。頭の中できもちいいがどんどん高まっていって、膨らんでいくのが分かる。
これが割れたら、私はきっと戻れない。これを割れれば、俺は……

「んぅっ!! イっちゃっ、あ゛っ、あ゛あ゛っ……!!」

躊躇の時間すら与えられず、膨らんだカタマリが頭の中で、身体の中で破裂してしまう。
はじけとんだ快感に、頭の中が、目の前が真っ白になる。きもちいいが全身に、ありえない勢いで広がっていく。
今までで一番の絶頂感に、身体はのけぞり、びくっ、びくっと体中が痙攣を起こす。

「あ、あ゛ひっ、あ゛あ゛、あ゛-っ……」

もはや人かすら分からないうめき声のような声をあげながら、脳を基点に血管を伝ってきもちいいが体中に伝播する。
あらゆる部位に流れ込んで、全身がきもちいいに支配され、これがこの身体の快感だ、と全身に教え込まれる。

快感に支配される私に、なにかが深く溶け合って一つになる。
身体中の快感はゆっくりとひいてきて、やっと少しずつ動くようになってくる。
こんなに気持ちいいなんて。こんなに素敵だなんて。これが『自分』だなんて。
今なら全てに合点がいく。あの日おじさんが何故倒れたのか。
あの時を境に感じていた色々な違和感。自分や、友人、そして舞にまで向けられた欲情の理由。
目の前に持ってきた手の動きを確認しながら「俺」はニターッと、笑みを浮かべた。
鏡に、黒い笑みを浮かべた私が映る。可愛らしい私のおかげで、その笑みは妖艶に見える。

「ふふ……ふふふっ……いろんなことがあったおかげでだいぶ早く「私」と一つになれたよ。」

自分の意思で動く手で、「私」の身体を撫で回す。
絶頂の余韻もあってか、感じやすくなった身体に、じんわりとした熱と快感が流れる。

「これで、俺達は一つだ。これからずっと。一生、ね」

この日、このとき、やっと私はあの薬の効能を理解した。私の中にいた「俺」の存在を理解した。
「俺」が持っていた記憶全てを手に入れ、引き換えに「私」が持っていた記憶全てを明け渡した。
もう二度と離れることはないくらい一つに溶け合い、成型された。これが私で、これが俺なんだ。
これからずっと、私達はこの身体で藤沢亜衣という女の子として生きていく。その事実が嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

俺は鏡の前でふふんと笑い、喜びのままに、手に入れた私を慰めるのだった……

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