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『身代わりタクシー』のこと

こっちの投稿完全に忘れてました。
キミ憑依以外やるんだ、って話なんですけど乗っ取れればわりかし雑食です。
憑依界結構他者変身食える人多い印象なんですけど僕は食えない派です。「本人そのものじゃない」ことにちょっと敏感なお年頃なんですよね。いつか食えるようになったりするのかな。食の好みとか変わってきてるし。ただの好みの話ですので、「こいつは乗っ取るやつしか出さないんだ」くらいの認識でいいんじゃないかな。
ブログの方はある意味僕がある日突然癇癪起こして渋垢消したりしたときにどうにか魚拓とか見れるようにくらいの意味があったりするので残すだけ残しときます。

今回のはMagic Taxiっていう海外のシェアワールド的な概念です。
どうしても供給に飢えて仕方ないときは探してみるといいかもしれません。
日本語じゃないやつの利点はある程度読めれば脳内意訳で都合のいい文章に組みなおせることかなと思いますね。不利点は僕の英語力がカス以下なお陰で読むのに時間がかかることでしょうか。
設定はおもろいと思うし、乗っ取り寄りの内容組みやすいので今回試しに使ってみた次第です。

個人的に良い点と悪い点は、
良い点
・Have a nice dayが無敵。発動した瞬間抵抗の余地なく身体を乗っ取れる。
・使用者の意思で無敵の呪文が発動するので「ボディチェンジ」とかの概念に似てて使いやすい。
・使用者の意思で身体を乗っ取るのでダーク方面に舵取りしやすい。
・押し付けられる身体がどうしようもないゴミなので取り返される心配がなく、振り切りやすい。

悪い点
・Have a nice dayそのものが特有の文化過ぎて日本語に落とし込めないんぢゃ。
・無敵の呪文は1回こっきりなのでこの1回を大事にしないといけない。
・1回身体を盗られないと盗る側に回れないので、盗られる程度の性能を要求される(キモイおっさんとかを主人公にしにくい)

でしょうか。なんにせよ設定は便利っぽかったので、お手すきの方はなんかネタ考えていただけると捗ります。





良い一日を(Have a nice day)

俺が最初にその言葉を耳にした時、珍しい挨拶だと思ったが、これこそがこの呪いのタクシーに伝わる魔法の呪文だった。
運転手がソレを唱えた瞬間、一瞬にして客と運転手の魂が入れ替わる。
分かっているのはその事実と、俺もその被害者の1人になったということだけだった。

「悪いな兄ちゃん。一刻も早くその訳の分からない身体から出たかったからよ。あんたの身体、貰ってくぜ」

さっきまで俺の身体だったものは、今まで持ち主として共に生きてきたはずの俺に軽くそう告げて、その場を立ち去ってしまった。しばらくの混乱の後、俺はやっと自分の身体があのとき運転手に入っていた何者かに奪われてしまったんだ、と理解した。
理解して、タクシーから出ようとして気付いた。出られない。恐ろしく強力な力がこの身体を運転席に縛り付けているのだ。あの呪文を唱えられたものが元自分を追いかけられないためにできているのだろうか。
そうして、俺は自分の身体を盗まれ、身体を取り戻すのを諦めた。正直、今となってはこの「諦め」さえ本心なのかどうかは分からなくなっていた。
それから暫くの時が過ぎたが、俺だった身体が俺の前に現れることはなかった。何より、覚えているはずの俺の住所が思い出せなくなっていた。運転手の身体に入れられた魂は、元自分に干渉することはできなくなってしまうようだった。
更にしばらくこの身体で過ごしていくうちに、段々と記憶が引き出せるようになった。時間を過ごすほどこの身体に刻まれた記憶が蘇ってくる。先ほどの「元の身体に干渉できない」という情報も、この身体に残された記憶の一つだった。だが引き出せたのはこの身体としての記憶や人生ではなく、このタクシーの使い方についての記憶ばかりだった。まるで、この身体そのものが「呪いのタクシーの部品」だとでも言うように、だ。
何より恐ろしいのは、この身体には排泄も着替えも食事も、睡眠さえ不要だということだ。過ごすうちに、この身体が人間とは異なる得体のしれない何かなのだと分からされて、そんな何かに魂を入れられたのだと理解できて、嫌悪感が噴き出してくる。
俺の前にこの身体に入っていた誰かが別の身体に入りたがった気持ちも、段々と理解できてきた。
それでも俺は我慢した。この身体に刻まれた記憶から、あの言葉がトリガーになるのは分かっていたから。つまり俺は、このタクシーに乗ってくる全ての人間の肉体と人生に乗り換える権利を持っているということなのだから。それならば新しい人生は華やかな方がいいと、そう思ってしまったのだ。
俺の身体を奪った男はそれに耐えられなかった。見てくれもあまり良くなく、借金まみれで、たまたまその日競馬に勝って気分が良くなってタクシーに乗っただけの男の身体に入って、アイツはどう思ったのだろうか。

転機は突然訪れた。夜の遅くにたまたま駅で拾った金持ちの爺さんを送った帰り道、いわゆる高級住宅街で俺の載せたタクシーを拾った女。酔っぱらっている様子で、友人(こっちも美人だった)に抱えられて後部座席に載せられると、その友人から行き先を指定された。初乗り料だけで足りそうなほど近いその場所にお札を数枚、お釣りは要らないからと告げて渡される。
俺は何の躊躇もなく首を縦に振った。飲み食いさえしない上にタクシーから出られないこの身体に金銭の価値はないも同然だったが、問題はそこではない。この額を容易く渡せるということが、そもそもの地位の高さを示しているからだ。

車を走らせながら、チラチラと後ろの座席を見る。眠っていながらでも分かるほど、美しいドレスに彩られた絶世の美人。以前どこかで、金持ちは美人と結婚することが多いから、社会的地位の高い奴は顔も性格も育ちも良くなりがちだと聞いたことがある。彼女のその一人なのだろうか。生まれついた瞬間から華やかな人生が約束された人間。
そう思うと、この可愛らしい寝息さえ憎らしく思えてくる。

だが憎らしいと思えば思うほど、俺の意識は高揚してくる。うまくいけば、この絶世の美女が俺の魂の器になるのだ。鏡を見ればこの綺麗な顔が俺の意思で動くさまを好き放題鑑賞できる。あのドレスの奥に隠された魅惑の女体を、好き放題資姦できる。彼女が生き、築き上げてきた社会的地位を丸ごと乗っ取ることができる。
ただ言われた目的地に送り届けて、魔法の呪文を唱えてやる。それだけで、俺の魂は本来触れることさえ許されなかったであろう彼女の体内へと潜り込んでいき、元の持ち主を追い出しながら、その身体を生涯の棲み家として奪い取ることができるのだから。

遂に、目的地に着いた。高級住宅街でも目を引くほど絢爛な屋敷の前に表札が見える。ライトを着けてその文字を確かめた。「西園寺」。先ほどタクシーに載せられたときに彼女のことを「西園寺さん」と心配する声も聴いていた。それはつまり、ここが彼女の家だということに間違いはないということ。彼女の身分を保証してくれた娘には感謝しかない。

その場で俺は待ち続ける。泥酔した状態の彼女と入れ替わったとして、ちゃんと身体を持ち逃げできる自信がないと思ったから、ちゃんと動く身体にまで回復して貰ったうえで身体を貰い受けようと思ったのだ。
待つこと2時間。俺にとっては永遠にさえ思えるその時間で既に日付は変わってしまっていたが、俺の興奮は最高潮のままであった。……その時だ。

「う……うぅん……」
「お客さん、着きましたよ。立てそうですか?」

彼女が目を覚ました。俺は彼女の状態を気遣って声をかける。当然だ。これから自分のものになる大事な身体なのだから、本人からきちんと引き継げる状態だと判断して貰わないといけない。

「っ……ん……はい、なんとか、大丈夫そうです……えと、お代は……」
「それなら問題ないですよ。ご友人が払ってくださいましたから」

思わずほくそ笑んでしまいそうになる。声も魅惑的で可愛らしい。酔っているせいでアルコールの匂いが強いが、その中にも柔らかく女性らしさに満ちた匂いを感じられる。
乳房も大きく、眠っていたせいで少しズレてしまっているドレスから今にもはみ出しそうなほどに主張してきている。
もう我慢できなかった。この美人の身体を新しい俺の身体として貰い受ける。その華やかな人生も、魅惑的な肢体も、何もかもを俺が支配してやる。元のとは違う性別を持つ身体を選ぶことへの躊躇さえ、この美女の身体を思うままにできるという誘惑の前にはゴミ同然だった。

「立てそうなんですね。では……『よい一日を』…………え?」
「……ぁっ……あはっ……頭いったぁ……ふひっ……!」

一瞬の暗転ののち、目の前にブックリと太った運転手の顔が見える。いつの間にか俺が後部座席に移動しているのが分かる。脂肪に囲まれた身体とは違う細く美しい肢体の感覚が全身から伝わってくる。それでいながら乳房には大きな塊が二つ付いている感触。股間ぶら下がるものがなく、ただ肌と布地が触れあっている感覚だけが感じられる。
未だに頭は重く、痛く、全身に気怠さが残るが、それさえお釣りがくるほど魅惑的な情報が俺の中に取り込まれてくる。
手に入れた。奪った。貰った。成った。成功した。さっきまで他人だった女の肉体に無理矢理入り込み、彼女を追い出して身体を盗んでしまったのだ。

「あはっ……ありがとう……! 君みたいな素敵な身体が来てくれるのを待ってたんだぁ……♡」
「な!? え!? 私……!? どうして……!?」

混乱する彼女だったものをよそに、俺は自分に新しくぶら下がった乳房を揉みしだいてみる。未だ痛みの残り続ける脳にも触る感触と触られる感触は伝わり、この乳房が俺のものだと、これからはこの乳房を自由に、好き放題愉しめるのだと教えてくれるようで、その事実にさえ興奮してしまう。

「ふへっ……この身体は今日から俺が貰うよ。俺が君の代わりに、女としての人生を歩んであげるよ……!」

乱暴に揉んだ勢いでドレスに隠されていた乳首が露わになる。もはやこれも俺のものだ。これからどう使おうと、誰に見せようと俺の勝手だと言わんばかりに元の持ち主に見せつけてやる。
新しい俺のボディにさらなる命令を送り込む。俺の魂に命じられたこの女の肉体はそれに従い、自らの足に力を入れた。俺は今、この場を立ち上がってタクシーから出ようとしているのだ。
もし今魔法の言葉を再び唱えられたら、再度入れ替わりが起きる。だがもしも身体を奪った俺がこのタクシーから出てしまったら、魂は永遠に新しい身体に固定され、二度と元には戻れなくなる。
俺に命じられるがままに、彼女の細くしなやかな両脚が動く。俺の魂にこの肉体を奪わせ、元自分自身と永遠の別れを告げるための、俺の新しい器としての生涯を歩むための一歩が、踏み出されてしまった。

「じゃあね。新しい身体と人生をありがとう。これからこの肉体は大事に、だぁいじに使い込んであげるからね……ふへっ」
「あっ……! 待ってっ……! 私の身体っ、返してくださいっ……! そうだ、『良い一日を!』……あ、れ……?」

入れ替わっても魂の能力は身体が馴染んでいない少しの間持続する。つまりこの女の元々持ってる知性がこの一瞬の間で入れ替わりの原因である魔法の言葉に気付き、戻るための手立てとして実践してきたのだ。恐ろしく聡明な女だったが、一足遅かったな。
混乱する元持ち主に、譲り受けた身体をいやらしく撫でまわして見せつけながら、最後に突き放すように事実を告げてやる。もうこれは俺のカラダだと、取り戻す方法はなくなったのだと。

「悪いね。降りたらもう二度と元には戻れないんだ。君にとってこの身体は赤の他人で、俺にとってこの身体は自分そのものになったんだよ。じゃ、俺は俺の家に帰らせてもらうね?」
「待ってっ! 待ってください! いやっ、嫌ぁ!!」

叫ぶ運転手を尻目に屋敷への階段を昇っていく。少しフラフラするも、身体が覚えているようで何とか入り口までたどり着けた。
ドアの指紋認証をあっさりとクリアして、屋敷に入っていく。まだ頭に残るアルコールが邪魔してか、記憶を読み出すには至れていない。が、身体は本人のものであるがゆえに、暗証番号式より強固なはずの指紋認証の方が突破しやすいというのは面白いものだ。
屋敷に入っていく瞬間に再びタクシーの方を見ると、運転手は外に出ようとしているようだった。それが無駄なのは俺自身よくわかっている。君もいい身体に乗り換えられることを祈ってるよ。

「ふふ……ふふふっ……♡ あはははっ……! やっっっっっったぁ……!」

ドアが閉まるとそのまま玄関に座り込みながら、身体を抱きしめる。女体特有と思われる柔らかな感触が全身に広がってくる。どこを触ってもフカフカで気持ちいい。これが、これこそが俺の新しい肉体。新しい人生の器になるのだ。

「っと……こんなところでオナニーして誰かに見つかっても面倒だな……でもコイツの部屋も分かんないし……んー……」

恐る恐る部屋を覗き込み、閉じる。客間だろうか、空き部屋のような誰もいない部屋ばかりだ。そうやって見ていくうちに、一つ面白い部屋が見つかる。浴室に続く更衣室だ。

「ほぉ……ここなら、丁度いいか……!」

にひっと笑って、ドレスに手を掛ける。豪華なソレを引っぺがすのには結構な労力を要したが、露出の多いものだったので抜け出すように脱ぎ捨て、なんとか下着姿になることに成功する。
乳が大きいせいもあるだろうが、揉みしだいただけですぐに乳首が飛び出るのはどういうことだと思ったが、露出が多い分肩にかかる紐がないタイプのものを着けていたようだ。

「っ……ぉ……すげぇ乳……!」

眼前に広がる巨大な脂肪の塊は今までの人生でも見たことのない角度で俺にその存在を示してくる。俺の動きに合わせてプルプルと震える物体からは同時に震えたという事実が神経を伝って俺へと伝えられる。
下から持ち上げると重量感と柔らかさとともに、持ち上げられている感覚が乳房から伝わってくる。今まで肩に掛かっていた重みがなくなり、代わりに両手にずっしりとした重量感が感じられる。

「これが、今日から俺の乳になるのかぁ……! 重いのは考え物だったけど、この揉みごたえは中々……!」

持ち上げたそれを指を操って揉みしだく。細い指、柔らかな乳房、全てが今俺が女の身体を使っているという事実を伝えてくれる。
そのことに興奮してきた俺の魂からこの身体に新しい命令が流れ込んでいく。下腹部の辺りで腹の奥が熱くなり、乳房の先の感触が敏感になるのを感じる。
俺のものになったこの女の身体が、俺の魂に従って興奮している、させられているのだ。

「よし……まずはちゃんと、新しい身体をチェックしよう……!」

興奮のままに下着も脱ぎ捨て、綺麗な両脚に命じて次の目的地へと歩き出す。生まれたままの姿になった身体は全身が空気に触れて所々肌寒くなっていたが、それさえ元の自分とは異なっており、新しい身体に乗り換えることに成功したんだと教えてくれる。
今にも笑い出してしまいそうになるのをなんとか抑え、浴場へと足を進めた。深夜であるため既にお湯は抜かれているが、まだ床が濡れていることから、誰かが入ったであろうことは容易に想像できる。まだ身体の記憶を引き出すことができないため家族構成は把握できていないが、いずれは俺と血の繋がった家族になる相手。身体を奪うということは血縁や遺伝子まで奪う行為なのだと思うと、更に暗い悦びが全身を駆け巡っているのがわかる。

「うわっ、さっむ……! 早くシャワー浴びないと……!」

濡れた床から冷たさを感じながら、両腕を反対の手で抱えるような体制で何とか体温を維持しながら急いでシャワーを手に取る。この身体の神経が敏感なせいなのか、冷たさがやけに鋭く伝わってくるので勢いよく両手を腕に擦りつけていると、今度は腕に乳房が持ち上げられてプルプルと震える。まだまだと慣れないといけないことは多そうだ……
そんなことを考えているうちにシャワーが出す自ら熱気が感じられる。ようやくお湯にありつける。

「っ……♡ はぁっ……気持ちいぃ……」

寒さに晒された身体がお湯の暖かさと蒸気に包まれていくのが感じられる。冷たさに敏感だった肌は暖かさにも敏感なようで、肌を伝うお湯の熱が身体の芯まで染み込んでくれるのが分かって、たまらなく気持ちいい。女の子の風呂が長いのはこういうところにも理由があるんだろうか。
俺だった時は風呂なんて煩わしいだけだったから、パッと入ってパッと出ていたが、このままこの身体に魂が完全に定着したら、俺も長風呂になったりするのだろうか。気持ちいいなら特に問題はないが。

「んっ……♡ くふっ……また、興奮してきた……!」

先ほどまで寒さでそれどころではなかった身体が、お湯の暖かさでさっきまでの状態に戻っていく。興奮とお湯の熱で身体は更に熱くなってくる。漏れ出てしまった甘い声もまた魅惑的で、俺の精神をさらに深い興奮へと誘ってくれる。

「はぁっ……♡ やば、お湯だけで、気持ちぃ……♡」

興奮で身体が少しずつ変化していく。乳房の先がさっきと同様にゆっくり膨らんでくるのが分かる。膨らむと同時に敏感になったその場所に、撫でるようにお湯が流れていくと同時に痺れるような快感が乳房の神経を伝って背中へ、首筋へ、脳髄へと駆け巡ってくる。
ただお湯が胸元を流れただけでここまで気持ちいいということに感動を覚えると同時に、こんな敏感な肉体で生涯を過ごすことに一抹の不安さえ覚えてしまう。これではシャワーを浴びるたびにムラムラして自慰行為に励んでしまうではないか。

「んっ♡ はぁん……♡ これが女の身体っ♡ 女の、乳首ぃ♡」

細く綺麗な指で乳房を捻り、親指を乳輪に這わせるだけでピリピリと甘い感覚が頭の中に流れ込んでくる。快楽に流されて昂ると、今度は乳首が跳ねるように勃ち上がってきた。敏感になったその場所にシャワーのお湯が当たると、更に強烈な快楽に溜め息のような甘ったるい声が出てしまう。

「んくっ……はぁぁんっ♡♡♡」

指が自然に動き、快楽の中枢となっている乳首を摘んで力を入れる。乳首を摘んで刺激しているだけなのに、全身で気持ちよさを享受しているような感覚に陥り、喉からは声がとめどなく溢れ出る。
溢れたのは、声だけではなかった。

「っ……この身体が、女として興奮してるんだ……!」

太ももを伝うヌルリとしたものはシャワーのお湯とはまるで異なった感覚だが、確かにその場所で存在を主張している。元の身体の時に興奮しすぎて足まで粘液が滴ったことがあったが、その感覚に似ていた。だがその時とは違い、今の俺にぶら下がっているものはない。
その場所が気になって覗き込もうとするも、巨大な2つの塊に遮られて見えたものではない。

「っと、シャワーとおっぱいが気持ちよすぎて本来の目的を忘れてた……これなら見えるはず……! おほっ……♡」

本来の目的を思い出した俺は鏡の前に自分の姿を映し出す。整った顔立ちもさることながら、何より巨大な乳房と、お湯とは違う液体にコーティングされた股間。冴えない男として生涯を過ごしてきた時には絶対に見る機会のなかった絶景が、鏡の前に広がっていた。ただ鏡を見ただけ、その行為自体は以前の身体で行うのと何も違わないはずなのに、今目の前に映っているのは絶世の美女の一糸纏わぬ姿。

「これが、俺……! これからいつでも、この鏡を見るだけでこの美女が見放題なのか……!」

そうだ。この美人の姿こそが俺の姿になったのだから、俺はただ鏡を眺めるだけでこの美人を好き放題拝むことができるのだ。俺が望めばこの身体はどんなポーズを望んだって応えてくれる。どんな言葉だって口にしてくれるし、どんな行為でも実行してくれる。だってこれはもう永遠に、俺の身体なのだから。俺が俺に何をしようと勝手なのだから。
そう思って俺の魂が興奮すると、当然俺の身体も興奮を始める。だがその感覚は今までの男としての者ではなく、この身体の持つ性である女としてのものだった。肉の棒に衝動的な欲望と血液が集中するのではなく、下腹部を中心に全身が昂るような感覚。これが女の興奮なのか。

「俺はこれから興奮すると、こういう状態になるのか……!」

今までの俺との乖離を感じる。全く違う性を持つ肉体に魂が乗り換えるという異常事態に、俺もこの身体も適応しきれていないのだ。だがもしも、俺の男の魂とこの女の肉体が完璧に適合してしまったら、一体どうなってしまうのだろうか。
期待を胸に抱きながら、遂に俺は濡れそぼった股間に手を伸ばす。今から鏡に映るこの美女を欲望のままに犯すのだ。誰にも憚られることはない。もうこの美女の器は俺のもので、俺はただ自分を慰めようとしているだけなのだから。

「よ、よし……挿れるぞ……あはっ、入られちゃうっ♡ 知らない男の人に魂交換されて、知らない男の人に好き放題犯されちゃうぅ♡」

股間に指を宛がいながら、今の状況を俺が手に入れた可憐な声に喋らせる。俺の魂が身体に入らなければ一生言わなかったであろうセリフを俺が言わせているんだという事実に強烈な興奮を覚え、指の先に据えられた股間がキュンキュンと疼くのを感じる。深窓の令嬢を思わせたこの身体だったが、既に俺の魂による汚染が始まり、淫れた俺の新しい肉体に生まれ変わろうとしているのかもしれない。

「っ……! ふぁあぁっ……! 挿入って、きたぁ……♡」

待ちわびていた秘所に、遂に俺の奪った細い指が潜り込んでいく。柔らかな膣肉を押し分けると、甘く痺れるような快感が股間を中心に腰全体に広がっていく。中から押し広げられる感覚は男である俺の魂にはあまりにも非日常的で、しかしこの肉体としては極めて正常で、その差を魂と肉体が埋め合わせようとしているのが分かる。
それは俺とこの身体が結びつこうとしているということに他ならない。この女の肉体が元に戻ることを諦め、俺の魂に永遠の服従を誓うということだ。
俺が元の汚い男のままだったなら一生触れることも、そもそも見ることさえ許されなかった絶世の美女が俺に屈し、俺の魂の器に成り下がろうとしている。もし俺が男の身体を持ったままだったら勃起していてもおかしくないほどに……

「っ!? ぁ……! 入ってくるっ!? 何かが、『私』の中にっ……!? ぃあっ!?」

俺がそう思った瞬間だった。本来男性器だったものの感覚が徐々に鮮明になっていくのが分かる。同時に突然俺の意思に反してこの身体が声を発した。俺の魂の中で飛び出ていた男性器の魂が、この身体の中で対応するどこかに取り憑こうとしている。そしてこの身体は男の魂に自らが犯され、犯されることを知覚し、残留思念に近い形になって抵抗の意思を示したのだ。
だがそんな抵抗も虚しく、俺の肉棒の間隔はこの身体のどこかに入り込み、取り憑いていく。女であるはずのこの身体に、男の魂の中でも最も強烈に欲望を反映する箇所がねじ込まれてしまった。

「これ……そっか、ここが『俺』の、新しい、お・ち・ん・ぽ……♡ 凄いっ……クリって勃起するんだ……!」

俺の魂が取り憑いたのは男だった俺にはなかった器官であり、それはこの身体の魂を追い出した際に抜け殻になっていた場所。女の子しか持たないはずの淫核。その中に俺の男根の魂が入り込むことで、その場所を乗っ取ることに成功したのだ。こうして俺の新しい男の象徴へと生まれ変わった肉豆に血液が集中する。
元々そういう機能があるかどうかはよく知らないが、俺の、男としての魂の能力が引き継がれているのはわかる。そうして主張する淫らな塊に、恐る恐る指を這わせ、摘んだ。

「んひっ!? これヤバっ……! ほオ゛ぉっ……♡♡♡」

触れるだけで脳髄まで一直線に流れた快楽の電流が、摘んで、更に力を入れるとどんどん太くなって頭の中を支配してくるのが分かる。あまりに強烈すぎて、獣みたいな息のような声のようなものが口から出たような気がした。

「ふうう゛ぅっ……! 良いっ……♡ クリシコるの凄い良いよぉっ♡♡♡」

トロトロに蕩けた顔と、股を開いて陰核を捏ねるだらしない姿を鏡に晒しながら「シコる」なんて淫猥な言葉を口にする美女の姿というものは実に効率的に俺の情欲を掻き立ててくれる。同時に俺の魂と紐づいたこの身体も当然興奮が増していき、全身から発生する快楽も膨れ上がっていく。
いつもシていたように、挟んだ指で擦るように刺激する動きは男の俺がしていたのと同じものだ。もしかしたらこの身体にあったもっといい方法があるのかもしれないが、それはこれからゆっくり開発していくうちに分かればいい。その時間は十分にある。だってこれはもう一生、俺の身体なのだから。
擦れば擦るほど身体の中で気持ちよさの塊が膨れ上がり、そしてついに、それが弾けようとしている。俺にとっても、この身体にとっても初めての感覚であったが、それが絶頂の合図なのだということだけはなんとなく理解できた。

「あぁあぁああ゛っ♡♡♡ これっ!! これだめっ♡ イけっ♡ イって、俺のものになれっ♡ っ、ぁあぁぁあぁぁぁあぁぁあぁ♡♡♡♡♡」

一瞬、身体の動きが止まる。身体に残った残留思念が俺と一つになるのを拒んでいるのだろうか。だがもはや手遅れだった。本来の人格は既にこの身体にはなく、そこにいるのは俺ただ1人のみ。ただの抜け殻に逆らえる理由などないのだといわんばかりに淫核に力を入れて、一気に快楽の塊を破裂させた。
ビクビクと全身の筋肉が震えて、身体が反り返る。絶頂の衝撃で綻んだ身体中の細胞に新しい主の存在が刻み込まれていく。逃げ場はどこにもなく、頭の中、両手、両足、目、鼻、口、乳房に性器、子宮に至るまでありとあらゆる箇所が『俺』に染め上がっていく。

「はーっ♡ はーっ♡ はぁ……♡ はふぅ……♡」

仰向けのまま、シャワーを全身に受けながらなんとか息を整える。全身にお湯が降り注いで流れていく感覚は自らの身体の形を知覚させてくれるが、自らの姿への違和感は既に消え去っていた。
細く華奢な女性らしい身体つきも、たわわに実った乳房も、ぶら下がるもののない股間も、初めから西園寺雪穂として生まれてきたかのように完璧に溶け合っているのがわかる。

「これなら、誰も『私』のことを疑えない……だって記憶も感情も、何もかも西園寺雪穂そのもの……なんですから……♡」

彼女の振りをしようと思えば、スイッチが入ったように口調が整えられる。優秀な雪穂の脳は俺の人格と雪穂の人格を自由に切り替え、発揮することができるようになっているようだった。美人なだけじゃなく、頭脳まで優秀なこの身体と人生を譲ってくれた彼女にはもう感謝の気持ち以外湧いてこない。

「ごめんね、今までの「雪穂」。これからは俺が、君の肉体と人生を使わせてもらうね。今までよりちょっとスケベで女好きになっちゃうかもだけど、こればっかりは仕方ないよね?」

乳房を鷲掴みにし、人差し指で可愛らしい乳首を転がす。身体を盗まれたときはどうなることかと思ったが、お陰でこんなに可愛くて、若くて、頭もいい女と一体化できた。
俺のものになった優秀な雪穂の脳に命令して、この身体で生きていく未来を夢想するのだった。


雪穂の身体と人生を手に入れてしばらくの月日が流れた。俺は誰にもバレることなく雪穂としての人生を過ごしながら、自分の身体をイジったり、可愛い娘を引っかけたりして楽しく過ごしていた。
雪穂の社会的ステータスに綺麗な見た目、整ったプロポーションは非常に便利で、まず声をかけるとほとんどが好意的に応えてくれる。適性のある娘はこの身体で触れてみると自分から身を寄せてくれる。結果として男だった頃には考えられないくらい可愛い女の子たちと関係を持つ日々を謳歌していた。
爛れた性活で更に魅惑的な身体つきになった雪穂のボディを使って新しい娘でも引っかけようと街を歩いていたある日のこと、俺は道端である声を耳にする。それは俺の人生を大きく変えた犯人であり恩人ともいえる声で、聞き覚えのある『魔法の言葉』を発していた。

「良い一日を!」

少しして出てきた女子高生の制服を着た少女はニヤニヤと笑みを浮かべながら自らの身体を確かめるようにまさぐり、愉悦の表情を浮かべて運転手の方を見つめていた。
運転手は混乱で真っ青になっており、状況を把握しきれていない様子だ。
彼女の身体に誰が入ったかは知らないが、これは中々に面白いものを見つけた。そのまま絶望の表情を浮かべる運転手に別れを告げた少女の後を追いかけることにした。
中身は男でも女でも良かった。あんなに可愛い女子高生の身体を奪ったのだから、性的な興味は絶対に湧き出てくる。ならば先輩としていろいろと教えてあげたい、あの若くてかわいい身体とシたい。雪穂から貰い受けた股間がキュンキュンと疼いてくる。すっかり俺の魂に器として調教され切った雪穂ボディもあの娘とのセックスを求めているのだ。
身体と心、両方が求めているのなら止める必要などどこにもない。もう西園寺雪穂の人生は永遠に俺のもの。俺がこの身体から出ていくことは永遠にない。だからこれからも、俺の好きに使いこなさせてもらうからな。

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