お久しぶりです。年始以来の投稿で2ヶ月ぶりくらいの新作らしいですね
ホント遅筆で悲しいですね。まあしゃーない
今回はちょっといつもとは違う感じかもです。上手くハマってくれると嬉しいですが果たして
関係ないですがC98申し込みました。上手くいけばGWに僕が営業に座ってます。座ってるといいね。
まあそんな感じで。続報はまた今度で、今日は今日のものを、よろしゅう。
ある日のこと。何の変哲もない、いつものホームルーム。そう思っていた矢先に、非日常は訪れた。
「えー、皆に大事な話がある。このクラスの竹中だが、昨日の夜に雷に打たれて、今朝、亡くなった」
突然の出来事に、俺たちは沈黙に包まれた。
竹中 敦。クラスの中でもお調子者というかスケベなやつで、会話の内容はほとんどお世辞にも品のあるとは言い難いエロい話。よく階段の下から女子のスカートを覗き込んでいるようなやつで、女子達からの心象はだいぶ悪かった。
いくら心象は悪くともクラスメイト。見知った人間の死は結構に衝撃的で、しばらくの間クラス全体が沈んだ様子だった。
数日が経つと、段々と沈んだ雰囲気もなくなっていく。そんな時だった。竹中の後ろの席になっていた佐倉さんが、そろそろ竹中の席を移動させることを提案した。
佐倉さん、フルネームだと佐倉 理穂さんは図書委員の大人しめの女の子で、長く降ろした綺麗な黒髪と、赤い眼鏡が印象的だった。
ずっと竹中の空席を目の前にしていたのでは、彼女の気持ちも沈み続けるだろう。皆が納得して彼の席は運び出されることになった。
そうして移動の日、佐倉さんが竹中の席に触れた瞬間、事件は起こった。
竹中の席に触れた彼女は突然、電気でも流れてきたかのように大きくガクガクと痙攣を起こし、そのまま教室の床に倒れこんでしまったのだ。
突然の出来事にパニックになるクラス。倒れてからも虚ろな目のまま何度か大きく跳ね回る佐倉さん。結局彼女は病院に搬送され、その後何人かで竹中の席は撤去された。
突然倒れた佐倉さんだったが、特に命に別状はなく、お見舞いに行った女子達は「佐倉さんって家だとあんな感じなんだね」「新鮮だったよね」「なんかテンション高かった」などと話していた。
数日後、佐倉さんは退院して登校してきた。医師の話によると日々の影響で溜まったストレスが静電気をトリガーになって気絶と言う形で現れたのだろう、とのことだった。毎日、ほとんどの時間目の前で死んだクラスメートの空席を視界に入れていたのだから、確かのその心労は計り知れなかったろう。しかしそれだけだとは到底思えなかった。女子達の言っていた通り、何か、様子が違ったのだ。
感情を表にすること自体が少なく、常に教室で静かに本を読んでいた印象だった佐倉さんだったが、この日は常に誰かと話していた。男子相手にだろうと臆面もなく話しかけていき、彼らを困惑させていた。いくらか話も合ったようで、盛り上がっていることもしばしばあったように見えた。そしてこの日、彼女がいつも読んでいる本を開くことは一瞬たりともなかった。
次の週の休み明け、佐倉さんは髪を切って登校してきた。ショートボブくらいに切り揃えられ、片側をピンで留められた姿は、この辺りでちょっと有名なヘアサロンで仕立てたらしく彼女を大人しい感じから一気に元気そうな印象へと変えていた。
眼鏡を外してコンタクトに変え、髪形も変えた彼女は最初に見た瞬間、正直佐倉さんだとは分からなかったほどだ。しかし長かった髪を退けると、元の素材が良かったせいか数段可愛らしくなって見えた。
服装も大きく変わっていた。膝下まで伸びていたスカートは一気に短くなり、細くて綺麗な足が露わになっている。校則にこれでもかというほど準拠し、ぴったりと締めていたボタンはいくつか緩められ、今まで隠されていた大きめの胸がチラチラと姿を現すことになっていた。
先週同様分け隔てなくいろんな人と話す佐倉さん。女子達と話しているときはよく彼女らにスキンシップを取り、それでも「佐倉さんが明るくなった」という事実として好意的に受け容れられていったようだった。一方で男子と話しているときは視線が胸や足に集中するごとに服を少し捲って煽っていた。まるで「こうしてほしいと思ってるんだろう?」と囁きかけるように。
俺も例に漏れず煽られた。胸の谷間の奥のほうにあった黒子なんて、以前の彼女だったら絶対見せることはなかっただろう、などと思うと、何故か心臓が跳ね上がるような感覚がした。
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「ね、竹中くんの席ってどこに移動したの?」
そう聞いてきたのは佐倉さんが快復してからしばらく後のことだった。あの日から変わってしまった彼女も既にクラスの一部として受け容れられ、以前の大人しかった佐倉さんは皆の記憶の中だけの存在になってしまっていた中で、そのきっかけとも言える名前を聞いて、少しだけあの頃の佐倉さんと、ついでに竹中が名残惜しくなった気がした。
その日の放課後、なんとなく席のことを聞いてきた佐倉さんの事が気になって、俺は竹中の机を片付けた空き教室の近くを歩いていた。そこはいわゆる生物室とか科学室みたいな特殊な教室が多い棟で、人の通りが少なく、基本的に放課後はとても静かな場所だった。
空き教室のある階まで上がってきた辺りで声が聞こえて、思わず息を殺してしまう。泣いているような、笑っているような、断続的で、少し高い声。少なくとも男子の声ではない、咄嗟にそう思った。
恐る恐る、足音の鳴らないように細心の注意を払って、教室に近づいていく。声の主に近づいているのが分かる。予想通り、空き教室から聞こえているのだ。
空き教室に耳を当てて、俺の予想は確信に変わる。その声が何なのか、誰のものなのか。何を、しているのか。
「んっ……ふぁっ……ぃいっ、ぃぃよっ、ぁつしくぅんっ……!」
佐倉さんが、竹中の机の上に両手を押さえ付け、角に股間を押し付けて机とパンツを擦り合わせているのだ。煽情的な声を漏らし、恍惚の表情で竹中の名前を呼びながら腰を振り続ける佐倉さん。角オナ、と言うやつだ。人生で初めて見た。そもそも女の子の自慰行為なんて初めて見たのだが。ともあれ彼女は既に興奮しきっている様子で、机の上は恐らく彼女の股間から染み出た液体によってコーティングされ、妖しく光っていた。
動揺して動けないまま佐倉さんをじっと見てしまった俺と、彼女の目が合ってしまう。折角音を消して黙ってたのに、見つかってしまった。しかし佐倉さんは声をあげるでもなく、ニヤッと笑って再び腰を振り続ける。まるで俺に見せつけるかのように。
「んふぅっ……! ぁあぁっ、机がクリに直接当たってっ、ぁはっ、私のおまんこ気持ちいぃ……っ……!」
更に激しく机に腰を擦り付けて、自慰行為に浸る佐倉さん。その綺麗な声で喘ぎ、悶え、淫らな言葉を奏でる姿はあまりにも淫靡で、いつしか俺のズボンの中も張り裂けそうになっていた。
「ぁあぁっ、キたっ、キちゃうっ、放課後に、あつしくんの机でオナニーしてイっちゃうっ! はぁっ……! 理穂のカラダ、最っ高だぁっ……っ……!! イっ……! っぅ~~っ……!!!」
ビクビクッ、と大きく全身を震わせて身体を反らす佐倉さん。頬を紅潮させ、蕩けた顔で天を仰ぎ、快楽の余韻に浸っているようであった。
やがてゆっくりと息を整えると、未だに動けないでいる俺に向かって声を掛けてきた。
「なぁ、さっき目が合ったよな。まだそこにいるんだろ? 入って来いよ。話、しようぜ?」
机の上に座り込み、ニヤニヤしながら俺に向かって話しかける佐倉さん。今までの佐倉さんとはまるで違う、やけに粗雑な話し方に目を剥いてしまいながら、俺は言われたとおりに教室に入っていった。
乱れた服を直すことなく、ブラジャーもパンツも丸見えのまま、佐倉さんは竹中の机の上で胡坐を掻いている。スケベな男のようなその表情は、まるで……でも、まさかそんな……
「お前さ、なんとなく何が起きてるのか察しはついてるんだろ?」
「いや、でも、だって、まさか、そんなこと……!」
「ふひっ、現に起きてるんだから信じたらどうだよ?」
予想の通りだった。佐倉さんは竹中の霊に取り憑かれていたのだ。いや、アイツの言うことが確かならそれよりもっと酷い。
……雷に打たれた竹中は魂が身体から抜け出し、自分の席で地縛霊になっていたらしい。しばらくクラスを傍観していた彼だったが、佐倉さんが自分の席を退かそうとした際に彼女を恨み、祟ってしまったそうだ。その時、竹中の霊力が異様に強すぎたせいで、あろうことか佐倉さんの魂が消滅してしまった……と。
こうして佐倉さんは自らの魂を消失。身体は抜け殻状態になってしまった。魂の入っていないため虚ろな瞳のまま教室の床に倒れる佐倉さん。騒然とする教室。そんな状況を見て、竹中にある考えが浮かんだ。
――「もしかして俺、佐倉さんの代わりにこの身体に入れるんじゃね?」
あまりにも悪霊的な発想で、竹中の魂は空になった佐倉さんの器に飛び込んだ。魂を失っていた佐倉さんの身体は入り込んできた竹中に自らの支配権を容易く明け渡し、竹中は、居なくなった佐倉さんの代わりにその身体の新しい持ち主となることに成功してしまったらしい。
こうして佐倉さんの身体で、佐倉さんとして目覚めた竹中。その身体自体は健康そのものであったため病院でも異常なしと判断され、あの日から今までずっと、彼は佐倉さんに成り代わって生活していたらしい。彼女のイメージが変わったんじゃなく、佐倉さんの中身そのものが竹中に替わっていたのだ。
それは同時に、竹中が佐倉さんの身体と人生を乗っ取って生き続けるってことのように思えて。
「ま、そういうわけで、今は俺が佐倉理穂になった、ってわけ。信じた?」
「待てよ……じゃあお前は、佐倉さんの身体から出て行く気は、ないのか……? このまま、佐倉さんの身体を、人生を、丸ごと奪い取って生きていくつもりなのか……?」
「……あのさぁ、逆に聞くけどさ。自分が仮に死んだとして、たまたまこのまま死んでいくだけの誰かの抜け殻が落ちてたら、お前はどうするんだよ。そのまま放っておくのか? もう身体のない俺はこの身体から出て行って、死ねって言うのか?」
「そ、それは……」
言葉に詰まる。そう言われて初めて気付いた。竹中だって好きで死んだわけじゃない。突然雷に打たれて、訳の分からないまま幽霊になってしまったんだろう。それに対して俺は「もう一度死ね」と言ったようなものだ。自分の軽率さを悔いたい。
「それに、俺が死んですぐに理穂まで死んじまったら、このクラスいきなり2人も死んじゃうことになるだろ」
「うぅ……それも、確か、に……? ……あれ?」
1人でも大変だったが、2人も立て続けに亡くなってしまったら、呪われてるとか思われても不思議じゃない。竹中なりにクラスのことを思ってたのだろうか。なんだか丸め込まれたような気がしなくもない……竹中にここまで頭の回転が速いイメージがない。もしかしてこれも、佐倉さんの身体を、脳を使っているせいなんだろうか。ともあれこれ以上議論の余地はないだろう。竹中はもう、どうあっても佐倉さんのカラダを手放すつもりはないのだろうから。
「だから俺がこのまま、佐倉理穂として生きるんだ。ここしばらくの間に理穂の記憶もほとんど手に入ったし、別にこの身体になりたかったわけじゃなかったけど、理穂って頭良くて使いやすくて、今は結構気に入ってるしな」
ニヒヒと笑いながら見せつけるように佐倉さんの胸を持ち上げる竹中。むんずと持ち上げられた豊満な球体はその手に合わせて形を変え、黒のブラジャーの隅から桃色の部分がチラリとこぼれ出る。
こんなことにさえなっていなければ一生見ることなどなかっただろう佐倉さんの乳房は魅惑的で、本能的に凝視してしまう。もはや俺は佐倉さんのカラダを使う竹中の手のひらの上で踊らされている状態だった。
なんとか話を変えなければ、こいつの思う壺だ。そう思ってずっと引っかかっていた疑問をぶつける。
「そもそも、なんで俺にバラしたんだ。お前の机でシてるのだって、俺が見に来てたのに気付いた上でやってたんだろ。お前がバラさなきゃ、俺も、誰も、ずっと佐倉さんがちょっと変わったぐらいにしか思わなかったのにさ!」
純粋な疑問だった。誰にも話さなければ、佐倉さんのカラダに竹中が入り込み、彼女に成り代わって過ごしているなんて非現実的なこと誰も信じない。にも関わらず、竹中は俺に話した。その意図はなんなのか。
「んー……なんて言うのかな。まずな、理穂として生きるのは楽しいんだ。メイクして分かったけど顔も結構かわいいし、身体つきも、校内でもトップクラスかもしれない。俺の時と違って女子に触っても冗談で済むし、男子はからかい甲斐がある。凄い便利だし楽しい。あと女の子のカラダって気持ちいいし」
そうだ。このスケベ男は佐倉さんの身体で、自分が女子だと認識されているのをいいことに他の女子達に過激なまでにスキンシップを行っていた。あれが全部竹中の意識がやっていたことだと考えると、正直羨ましい。体育の時間は当然のように女子更衣室に入っていったし、女子と談笑しながら一緒にトイレに入るのを見たことだってある。これら全部、竹中が佐倉さんの身体を使ってやった行為なんだ。竹中が佐倉さんの、女の身体を手に入れたからできる行為なんだ。なんだろう、無性に腹が立ってきた。
「そう。それが見たかったんだよ!」
「……は?」
「誰にもバレずに、理穂としていろんな所を覗きにいくのは確かに楽しい。ちなみに真由とか千佳と一緒に風呂入って身体洗いっこもしたぞ。そうやって心の中でほくそ笑んでるのも凄い楽しいんだけどな。俺がこの身体でした体験を、ずっと誰かに話したかったんだよ。俺が竹中だ、って知ってるやつにな」
再び、佐倉さんの顔でニヒヒと笑って見せる竹中。そうだった。コイツはこういうヤツだった……! ただ、自分が佐倉さんの身体でした経験を、自慢したいだけだったのだ……!
ぐぬぬと言わんばかりに睨みつける俺に、竹中は更に提案する。今度は誘惑するように、佐倉さんの可愛らしい声を存分に活かして。
「その代わり、ちょっとだけ、私の身体をおすそ分けしてあげるから、ね?」
「ぐっ……うぅうっ……!」
撫でるような声色で誘惑しながら、ブラウスのボタンを開け、佐倉さんの肢体を魅せつけてくる。瑞々しくたわわな双丘と、それを支える黒の下着。学校生活で薄く透けて見えていたそれが、今目の前であられもなく晒されている。大きな塊は呼吸と共に小刻みに揺れ動き、白く美しい肌が波打つ。たまに、チラチラ見えていた中央の黒子が今度はハッキリと見え、強烈な存在感と言いようのないエロさを放っていた。佐倉さんから奪い取った身体を、まるで自分の商品のように扱う竹中に、それでも俺の心は本能に乗せられて揺れ動いてしまう。
「へへっ、目が泳いでる。揺れてるねぇ。じゃあ最後の一押し、してやるよ」
「……は?」
そう言って竹中は近くに置いてあった佐倉さんの鞄からスマホを取り出す。赤色の、可愛らしいデザインのカバーに包まれたソレは紛れもなく佐倉さんのもので、竹中はロックを顔認証で解除する。佐倉さんの、佐倉さん本人だけが突破できるセキュリティが、身体を奪った竹中によっていとも容易く破られた。
しばらく指で操作してからニィーッと、スケベな男のような顔で笑う。本来の竹中がするようないやらしい表情。佐倉さんは本来一生するはずのなかった表情だ。
「これが俺の話を聞く特典。第2弾だ」
「……っ!! おま、お前っ……」
開いたスマホの画面にはある画像。更衣室で女子達が着替えている写真。着替え終わっていたり服の中で着替えを終えている子達も居るが、何人かは無防備に、下着姿を晒している。部屋の隅からなどではない。彼女らに接近してこそ撮ることのできる写真。『男』という性別に生まれてきた人間では絶対に見ることの許されない景色。
「望むなら、お前の好きな娘のを撮ってきてやってもいい。今の俺なら、誰にも疑われないからな?」
やはりコイツは悪霊だ。佐倉さんはとんでもない奴に身体を取られてしまったのかもしれない。それでも俺は、この悪魔の誘いを断ることなどできなかった。あまりにも魅惑的な提案に、気がつけば首を縦に振っていた。
こうして俺は、「佐倉理穂という女生徒の身体を手に入れた竹中敦」を唯一知る人物になってしまったのだ。
……とはいえ、基本的に学校で親しく話すようなことはなく、いろんな所の話に入ってくる「佐倉さん」が俺たちの話しているところに入ってきたときに応対する程度だった。裏でメッセージのやり取りだけ続けていた。
竹中はここしばらくの間、佐倉さんを自分の理想の女性に作り変えることを目標として行動を始めていた。図書委員の仕事を適当に済ませ、竹中が元々やっていた女子テニス部に入部した(当然元の竹中だった頃は男子テニス部で、今は女子テニス部だ)。同じ図書委員の浦部は佐倉さんに片思いして図書委員を選んだって話を聞いたことがあり、実際とても悲しそうな顔をしていた。……俺は何も言ってやれなかった。
何故突然運動部に入ったかを聞くと、
「理穂のカラダってさ、すっごい気持ちいいし何回でもヤれるんだけど、体力なくてすぐ疲れちゃうんだよ。だから鍛えることにしたんだ」
などと言ってニヒヒと笑っていた。佐倉さんの身体を好き放題愉しみながら、遂に竹中は佐倉さんの外見だけでなく内面にまで手を出し始めたのだ。
……アイツがテニス部に入った理由は、それともう一つあった。
「理穂ちゃんっ! 一緒に部活行こっ!」
「あっ、うんっ、香澄ちゃん! えへへ……」
佐倉さんの手を引く女子こそ竹中のお目当て。テニス部の中沢 香澄だ。日に焼けて茶色がかった髪を後ろにまとめた快活な女子。170cmの高身長で高い運動センスを持ち、体育の時間などは別の種目でさえ女子のコートで一際活躍している姿が印象的な娘だった。以前竹中が身勝手にも『もし新しい身体を選べたなら中沢さんのカラダが欲しかった』と挙げていたほど、アイツの理想が彼女らしい。竹中とは中学時代から同じ学校だが、クラスは違ったそうだ。で、アイツは中学時代そんな彼女に近づく為に男子テニス部に入ったらしい。……男子と女子でそもそもコートの場所が違いすぎて近づくどころの騒ぎではなかったそうで、それでも諦めきれずに告白したらしく、その時の返事が、
「私、男の子より女の子の方が興味あるから、ごめんね」
だったらしい。当時は絶望に打ちひしがていたらしいが、幸か不幸か今の竹中は佐倉さんという女の身体になっている。この身体を使えば、中沢さんにも手が届くのではないか。それが竹中の算段だったのだ。
それからというもの、竹中は積極的に佐倉さんの立場を、同じ女の子であることを最大限に利用して中沢さんに近づいてる様子で、入部して1週間で苗字呼びから名前呼びになっていた。実際中沢さん自身も近づいてくる佐倉さんに満更でもなさそうな感じなのが印象的だった。
そのためか暫くはやりとりしていたメッセージも中沢さんとの惚気話ばかりになっていた。佐倉さんの身体で竹中は着々と彼女との距離を詰め、近日お泊り会までする約束を取り付けたらしい。
部活が同じなので必然的によく見るらしく、中沢さんの身体つきが綺麗みたいな話ばかりしてくるが、盗撮写真を要求すると頑なに断られる。相当気に入ってる上、割と真剣に狙ってるみたいだ。
「代わりと言っちゃ難だけど、ちょっと通話しようぜ」
頑なに写真をよこさない竹中にしばらく悪態をついて煽っているとメッセージが送られてから少しして、着信が入る。相手は竹中。いや、表示上は「佐倉さん」。竹中のうるさい声を聞くのなら耐え難いが、佐倉さんの声なら聞いてもいいかと思い、電話に出る。
「あ、もしもし上岡?」
「そうだけど、どうしたんだよ電話なんて。佐倉さんの声じゃなきゃ取ってなかったぞ?」
「あははっ、そりゃ理穂の喉に感謝しないとな!」
上岡は俺の苗字だ。竹中は佐倉さんの声で気軽に話しかけてくる。元の佐倉さんは控えめで、誰に対しても一歩引いた話し方をしていたが、竹中が使う佐倉さんは誰にでもこんな軽い感じで話しかけていく。今では日常の一つになっているが、これも竹中が佐倉さんの身体を手に入れるなんて事態がなければ有り得なかったことだろう。
かく言う俺も見知った雰囲気で応える。佐倉さんと、ひいては竹中とこんな秘密の共有者みたいな関係になるとは思ってもみなかったが、これも既に日常のようなものになっていた。
「反応が薄いな……もしかして画面ONにしてるの気付いてない? あ、見ていいけどお前の画面はOFFのままにしろよ。男の顔とか見る趣味はないからな!」
「は? 画面……? っ、うぉ……!」
そう言われて見た画面にはただ両手で胸と股間を隠しているだけの、一糸纏わぬ佐倉さんの姿が映っていた。校内髄一の隠れ巨乳は、竹中がその身体を使うようになってから割と有名になった上に更に大きくなっているようで、隠す為に押さえつけている腕から今にもこぼれ落ちそうになっていた。
元々控えめで運動もしていなかった佐倉さんの肌は、テニス部で活動していた影響で少し日焼けしているようだったが、それでもいつも服の中に隠れている胴体部は透き通るように白く、細く引き締まった腰や大きく膨らんだ尻からは女性的な魅力が溢れ出していた。
「ふふん、どーよ。エロいよなぁ、このカラダ」
「な、おま、お前っ……!」
「俺が理穂に乗り移ってからさ、いつも話聞いてくれてるだろ。こうやって「俺」として話せる相手が居るってだけで俺は消えてない、ここに居るんだって分かれて、結構助かってるんだよ」
そんなことを考えてたのか……確かに自分が死んで、全く別の人間になって、ここに居るのに誰にも話せないっていう状況はもどかしいような感覚があるのかもしれない。いつも楽しそうに佐倉さんとして生活していると思っていた竹中でもそんな感傷に浸るときあるんだなと思った。
「……だから今からするのはお裾分けだ。ちゃんとデカい画面に映したか? スクショの準備はしたか? なんなら録画しておけよ? クラスメイトのオナニー映像なんて、まっとうな生活送ってたら絶対見れないだろ?」
言葉は出ず、ただゴクリと喉を鳴らす音だけが漏れる。
ほんの少し抵抗はあったが、そもそも竹中が乗り移った時点で佐倉さんは恐らく何度も何度もアイツの欲望のままにその肢体を存分に弄られ、陵辱の限りを尽くされている。今更俺が見なかったところで、佐倉さんはこれからもずっと竹中のモノとして弄ばれ、利用され続けるだろう。だから俺が今日ここで見たところで何かが大きく変わることなどない。そんな気持ちになり始めていた。
携帯からタブレットに画面を映しなおす。録画用のアプリを起動する。もはや倫理観の壊れた俺達は、今から共に佐倉さんの女体を、尊厳を、勝手に性欲の捌け口として利用するのだ。
「準備できたか? じゃあ始めるからな……こほん。『1年3組の佐倉理穂です。私は今、死んじゃったクラスメイトの竹中敦くんに乗り移られて、彼の新しいカラダ、第二の人生になってます。今からそんな竹中くんの命令で上岡くんの為にオナニー配信するので、存分にヌいていって下さいね?』」
声色が変わった。いつも俺に話す気安い感じの竹中入りの佐倉さんではなく、まるで男に媚びるような声。頭では中身が竹中だって分かってるのに、佐倉さんの喉から奏でられる淫靡な音色に本能が直接刺激されるような感覚に陥ってしまう。逆に頭で竹中だって分かっているが故に、今から俺達で佐倉さんの肢体を穢すのだと、言いようのない期待感が膨れ上がってくる。
それだけで俺の股間は膨らみ、画面の中に映る女体への欲情を昂ぶらせてくる。全身の血液が高速で巡回し、心臓がうるさいくらいに高鳴ってきているのがわかる。ズボンを脱ぎ捨て、邪魔な下着を取り払って、ただ映像にだけ精神を集中させていた。
そして遂に、画面の中の佐倉さんが胸元を隠していた手を退かした。柔らかな球状の塊がたわみ、揺れ、同時に先端の桃色の突起が露わになる。
「おぉ……!」
「あははっ、まだまだ始まったばっかりだよ?」
余りの美しさと、クラスメイトの乳房を眺めているという背徳感に感嘆の声を漏らしてしまうほどだった。竹中の器に成り果てている佐倉さんのカラダは、めくるめく快楽への期待を膨らませて乳首を、乳輪ごとぷっくらと膨らませていた。
続いて竹中は佐倉さんのたわわな乳房を下から両手で持ち上げる。
「このおっぱい、凄い肩凝るんだよね。で、こうやって持ち上げてあげると、肩が少しだけラクになるの。この感じは男の頃にはなかったから、竹中くん凄い新鮮がってたんだぁ」
えへへと笑いながら乳房を持ち上げて、降ろしてを繰り返す。豊かな脂肪の塊はスライムのように波を起こしながら揺れ、桃色の円が画面内を動き回る。
中央あたりにあったと思っていた黒子は右寄りにあったんだな、などと考えながら画面に映る極上と呼ぶに相応しい女体を食い入るように眺め続ける。佐倉さんの手の動きが終わった後も乳房はしばらく揺れ続け、だんだん元の形に戻る。大きいながらも垂れることなく美しさを際立たせる乳房は、今まで見てきたどのAVよりも淫靡で背徳的に見えて、これを自由自在に触り、感じられる竹中を羨ましく思う。
「スケベな男子高校生みたいにこのおっぱいを揉みしだくのもイイんだけど、それは今度上岡くんに直接させてあげるから、次は勃起した乳首……の、前にっ……!」
口角を上げて、佐倉さんはゆっくりと勃起した乳首に向けて手を伸ばし……両手ともで搾るように乳房を掴み、乳首の周りを囲う乳輪を摘んだ。そのまま、摘んだ指でそこを優しく撫ではじめる。溜め息のような熱い吐息を漏らし、刺激を続けるごとに時折小刻みに身体を震わせ、快楽に浸っているようであった。更に高まっているのだろうか、心なしか乳首が更に大きく膨らんだように見える。
「はぁ……気持ちいぃ……♡ まず摘むんじゃなくて、こうやって焦らしてあげるの。そうすると私の身体、奥から昂ぶって、乳首が早く触って、触って、っておねだりするみたいに芯から疼いてくるの。後は……んっ♡」
ついに人差し指と親指で乳首を摘む。残りの指で乳房を優しく揉みながら2本の指で器用に、クリクリと刺激する。喉仏のない綺麗な首筋を伝って口からは甘い声が漏れ、その身をいやらしくよじらせる。佐倉さんのおっぱいが大きくなった原因って絶対アイツが佐倉さんの身体でこういうことばっかりやってたせいだ。そう思うと彼女が哀れに思えると同時に、自由に佐倉さんの肉体を愉しめる竹中への羨ましさが増していった。
「んっ……はぁっ……くぅっ……♡ 女の子の乳首はっ、2つ付いてるのに1つずつが男がチンポシコってる時より気持ちいいんだぁ♡ 竹中くんの記憶が私の脳みそにそう教えてくれたの。はぁっ♡ 気持ちいぃ♡」
ピンと勃った桃色のそこを捏ねながら、歓喜の嬌声を漏らす竹中。オナニーで喘ぐ男なんて聞いたことがない。しかし今、竹中は佐倉さんのカラダで味わう快楽に声をあげている。佐倉さんの女体が織り成す快楽は、元が男である竹中ですら声をあげてしまうほどのものなのだ。
その考えが、男としての性感を知りながら、佐倉さんから奪った身体を使って女としての性感を味わうことができる、この世の中でアイツだけが口にできる言葉に信憑性を持たせていた。
「普通に捏ねるのも気持ちいいんだけど、私は前からこうするのがお気に入りだったんだ……れろ……ぉ……むちゅっ……」
続いて竹中は右手を乳首から離すと、佐倉さんの口の中に差し込む。くちゃっ、にちゃっ、といやらしい音を鳴らしながら、彼女のしなやかな指が唾液を纏い、照明に反射して輝きだす。満足そうに指を離すと、指と唇からは名残りを惜しむかのように透明な橋が架かる。
前からということは、佐倉さんの中に竹中が入ってしまう前から、彼女本来の意識がしていた行為。それさえ佐倉さんを乗っ取った竹中には筒抜けにされ、彼女自身の身体で再現させられるのだ。
その艶やかな行動全てに誘惑され、熱くなった股間を擦る手が止まらない。
「こうやって最初に軽く準備運動してやると、唾液がねっとりしてイジるのに使いやすくなるの。ほら、こんな感じで……」
唾液に塗れた人差し指と親指をしばらくくっつけた後に離すと、先ほどの唇と指で起きたのと同じく唾液が粘つく。彼女の口から生理的に染み出たはずのそれはあまりに淫らで、そんな淫らに塗れた指がゆっくりと彼女の性感帯に近づいていく。そんな自分の指を喜色に染まった表情で眺めているのは本来の佐倉さんなんだろうか、それとも……
「んぅっ、ふぁあっ♡ 乳首の上を指が滑って、おっぱいの神経一つ一つがピリピリしてっ、ひゃぁっ♡ 気持ちいぃっ……♡」
佐倉さんの濡れた指が乳首を摘むと、更に頬を紅潮させ、瞳を細めてその綺麗な顔が快楽に歪む。身体が震える回数は目に見えて増え、声も更に艶やかな色に染まっていく。その姿はまるで佐倉さんそのものが竹中に染まっていっているような錯覚すら覚えた。
竹中はなおも佐倉さんの乳首を責め続ける。左手も右手同様に唾液に濡らし、両手で刺激し始めると耐えられないと謂わんばかりに身をよじる。同時に佐倉さんの大きな胸が大きく揺れ動き、両手がその動きに追従する。抑えるように乳房を両の手のひらで揉みこむと、耐えられないとでも謂わんばかりに目を瞑って歯を食いしばり、堪えるような表情に変わる。
「くぅっ……! やば、キたっ、キちゃったっ……! 乳首イジるだけで、そんなっ、淫乱女みたいなことっ……! ふぁあっ、ダメッ……! イっ……くぅっ……!! ぅぁあっ!!!」
今までの微動とは明確に違って、佐倉さんは波でも起きたかのように大きく全身を震わせる。顎を引いていた顔は完全に後ろに反れ、白くて綺麗な喉を見せつけていた。しばらくその体勢を続けて、そのままベッドへ仰向けに倒れる。画面には染みで縁以外全ての色が濃くなったパンツと、投げ出すように伸ばされた綺麗な脚だけが映っていた。
「あーっ……気持ちよかったぁ……まさか乳首だけでイっちゃうなんて、俺も理穂も初めての体験だったよ。もしかしてお前に見られてるせいなのかな? それとも理穂に露出の才能でもあったのかな? コイツの記憶にはそんな経験なかったのにな、くふふっ」
しばらくして佐倉さんは起き上がり、画面を見ながら話してくる。その表情には今までの佐倉さんとしての演技が消え、ニヤニヤ笑う竹中の表情をした、俺が最近よく見る佐倉さんに切り替わる。彼女がどういう表情をするか、させるかさえ竹中の思うがままなのだろう。前屈みになっているが故に下に垂れ、それでも丸い形を崩すことのない佐倉さんの胸を揉みしだきながら、竹中は話を続ける。
「ふふっ、理穂のおっぱい、揉み心地も感度も最高にいいんだ。しかも女の身体ってのは一度くらいイっても、んぅっ♡ ひひっ、萎えたりしない。それどころか余韻が身体に残って更に気持ちよくなれるんだぁ……」
「はーっ……はぁーっ……」
自慢するように甘い声を奏で、恍惚に浸る竹中。そんな姿に俺は返事する余裕さえなく、ただ息を荒げて股間を扱き続けていた。そんな俺を察知したのか、竹中は更に佐倉さんの身体への陵辱を進める。
「あははっ、上岡くんまだイってないんだね? イっちゃったら今日は止めようと思ってたんだけど。じゃあこっちもシてあげる。竹中くんに盗まれて、好き放題されてる女の子の、佐倉理穂の一番大事な部分を、ね」
言いながら竹中は手を胸から腰に、パンツの縁へと移動させる。股間を守る最後の防壁は流れるような動作で剥ぎ取られ、股間と下着から粘り気のある液体が伸びて、ちぎれた。画面には映らないまま、少しして竹中が画面に股間を見せつけてくる。そこは2本の指に阻まれ、肌色と桃色の境目と思われるギリギリのところで見えなくなっていた。
「ほーら、女の子の大事なところだよぉ? ふふっ、見えない? えー、どうしよっかなぁ……だってこれはもう竹中くんが使うモノだしぃ、上岡くんに見せちゃうのもなぁ……」
「っ……! おいっ! お前っ! ふざけるなよ!!」
「あははっ、冗談冗談。そんなに見たいんだ、私の大事なところ。竹中くんに身体を盗られてなきゃ絶対に見せなかったよ? 別の誰かに見せて、ハジメテを捧げて生きていく予定だったんだよ? 竹中くんにお礼言っときなよ?」
「っ……ぐっ……竹中さん……ありがとう、ございます……」
調子に乗った竹中は佐倉さんの声で煽ってくる。俺は逆らわず、竹中に礼を述べた。佐倉さんの肉体は竹中の支配下にあり、コイツが嫌と言えば佐倉さんはその肢体を隠すから。その権限があるのだから。こんなところで生殺しなんて耐えられない。
佐倉さんが淫れる姿を目の当たりにして、もはや彼女の身体が竹中に乗っ取られているという事実とか、アイツの思うままに使われていることとか、そんな倫理的な感情などどうでもよくなっていた。ただ男として、竹中が手に入れた佐倉さんという魅惑的な肉体を思うままに穢す様を眺めて、欲望のままに射精したい。その気持ちだけになっていた。俺は竹中に、いや、竹中と佐倉さんに、狂わされはじめていたのかもしれない。
「ふふん、よろしい。じゃあ見せてあげるね。私の大事な大事なところ。『私』以外の誰にも見せたことのない、こんなことにならなきゃ一生見られなかった女の子の証……ほぅら」
あまりにもあっけなく、その場所が画面に映し出される。初めて見るその場所は、今までたまにネットとかで見てきたどの無修正画像よりリアルで、ほんの少しグロテスクでもあったけれど、それが正真正銘『佐倉理穂』の性器だと思うと、それを見ることのできる限られた人間だと思うと、暗い優越感と昂ぶりが全身を駆け巡る。
「凄いでしょ? スケベでしょ? 乗っ取られてからも本能的な嫌悪感でたくさん抵抗して、それでも竹中くんの性欲に塗り潰されてここまでエッチに染め上げられた、これが私、佐倉理穂の女性器、おまんこ、だよぉ♡」
ゴクリと喉が鳴る。そこは先ほどの乳首への愛撫によって既にベトベトに濡れ、まるで涎のように股間から尻に、ベッドのシーツへと垂れていた。シーツは既に染みの地図を作り、彼女の肉体がどれだけ液体を分泌したかが如実に分かる。
それだけではない。股間の上部、本来なら生えていてもいいその場所は綺麗な肌色だけが映されている。一本たりとも、黒い線は浮かんでいなかった。
「あ、そうだ。私、竹中くんの新しい身体にされる前は手入れとかしたことなくて、結構毛生えてたんだよね。でもそうするとオナニーするときにすごい邪魔で、あと竹中くんが生えてると萎えるからって、全部剃ったんだ」
佐倉さんの口から、容易く内情が話される。それはもはや以前の佐倉さんはどこにもいないように思えた。竹中の魂が入った佐倉さんはアイツの思うがままに改造されていく。佐倉さんの意思も記憶ももはや関係なく、そこには竹中の好む佐倉理穂が形成されていくのだろう。そしてそれは既にアイツ自身であり、誰にも止めることなどできないのだ。自分の身体をどうしようが、自分の勝手なのだから。
「表面はこんなものでいいかな? 次はナカを、見せてあげるね?」
さらに竹中はピッチリと閉じていた佐倉さんの性器を開いてみせる。くちゃぁっ、と、今まで聴いたことのないほどいやらしい音がスピーカーから響き、トロトロに濡れそぼったその場所は露わになる。パンツを濡らしていた愛液は当然性器の中にも残っており、膣内は口の中など比べ物にならないほど淫靡に、分泌された液体で粘ついて見えた。
「ふふっ、エッチでしょ? エッチだよねぇ? このナカにある襞一つ一つまで、竹中くんの魂が行き渡ってるんだよぉ、凄いよね。男の魂が入ってるのに、女の子の性器を使えてるなんて。こうやって膣の肉を動かすのだってできちゃう。男だったら唯のお腹の中なのにね?」
言われてみれば不思議な話だ。画面の中で、確かに佐倉さんの股間の奥にある桃色は蠢いて見える。正直どうやって動いているのか、男の俺には見当も付かないが、竹中は実際にその場所を、恐らく自在に動かしているのだ。本来動かしたことのない部位が動く、動かせるとはどういう感覚なんだろうか。それさえ竹中にしか分からないだろう。
「匂いも凄いよ。発情して濃縮された女の子の匂い。通話で嗅げないのが残念だよね? 私の、女の子の鼻で、女の子の脳みそでさえこんなに興奮しちゃうんだもん、上岡くんの、男の子の鼻で嗅いだら、どうなっちゃうのかな?」
「はぁっ、はぁっ……くそ、くそっ……!」
匂いが通話で届くことは絶対にない。佐倉さんの股間から漂う女性器の匂いは、佐倉さんの部屋だけに閉じ込められ、決して俺の元には届かない。そしてその匂いは彼女を支配する竹中だけが嗅ぐことを許され、俺には想像することしか許されないのだ。竹中は佐倉さんの匂いに酔いしれ、恍惚の表情を浮かべ続ける。自分だけが愉しめる『佐倉さん』を、竹中は存分に愉しみ、俺への優越感に浸っているのだろう。
「あははっ、そんなに怒らないでってば! 今度気が向いたら上岡くんにも嗅がせてあげる。カメラじゃなく肉眼で、男の人の目の前におまんこ晒して、その匂いを嗅いでもらう。それもすっごい興奮する気がするからさぁ……♡ んぁっ♡ 想像しただけで理穂の脳みそゾワゾワしてるっ♡ ホント私って、スケベな女の子だなぁっ♡」
淫らに染まった、本来の佐倉さんならば有り得ないような未来の予定を口にしながら、彼女の指は性器を優しく撫でる。竹中のモノとなり、彼によって幾度となく調教を受けてきたであろう彼女の身体は既に興奮の渦中にあるようで、発情しきった彼女の秘部はそれだけで快感が走っているようで、甘く蕩けるような声を漏らしていた。
そのまま、佐倉さんは人差し指と中指を一つに纏め、撫でていた女性器の中に潜り込ませる。ぢゅぷぅっ、と粘液の中に物体が沈むような音と共に、佐倉さんの喉は歓喜の音色を奏でた。
「ん ゛っ……はあ ゛っ……あ ゛-っ……この圧迫感。男として生きてたら一生得られない感覚ぅ……♡」
胸を愛撫していた時と同じように快楽に身をよじり、彼女の腰が痙攣したように震える。同時に尻肉と太ももがプルプルと震える。佐倉さんの、魅惑的な女性の身体が起こす淫らな踊りはあまりに扇情的で、俺は情けなく股間を擦る手を早める。竹中はなおも指を差し込んだまま、自分の膣内を確かめるように、もしくは何かを探すかのようにナカで指を動かし続ける。
「私ね、んっ♡ 竹中くんの新しいカラダになってから初めてこの身体でシコった時に、ここに指を突っ込むのに凄い抵抗したの」
「抵抗……? お前は抜け殻に入ったんじゃないのか?」
「身体に残る本能っていうか、残留思念みたいな? やぁっ♡ とにかく最初おまんこに指入れたときはホントに抵抗凄くて、オナりながら泣いちゃったの」
それは佐倉さんの身体が、佐倉さんの記憶が、竹中に犯されているという行為そのものに必死に抵抗した結果なのだろうか。本来の主を失い、竹中という男に乗っ取られてなお佐倉さんは抵抗の意思を見せた。そういうことなのだろうか。しかし今、佐倉さんは発情しきった顔で、紅潮した頬で、自らの股間に指を突っ込んで慰め、その身を快楽の中に浸している。
「だから竹中くんはじっくりと時間をかけて私の身体を、くぅっ♡ 自分だけに相応しい身体に作り変えることにしたの。手始めが髪型とかメイク。私の外見だった」
「……少しずつ変わっていった佐倉さんにはそういう理由があったのか」
「そういうこと。次に竹中くんは私の身体を完璧に手に入れるために刷り込みをしたの。ふぅっ♡ 私の裸を鏡で見て、私に発情するの。更衣室で、クラスの女の子に発情するの。そうやって少しずつ私の脳みそは竹中くんがいつもする、『女の身体に興奮する』状態を刷り込まれていったのっ、んふぁっ♡」
差し込んだ指で膣内を弄るのは止めないまま、時折嬌声を漏らして話を続ける。彼女がつい先ほど話していた『抵抗する佐倉さん』は、画面内のどこにもいない。それは今の佐倉さんが、竹中の欲望を受け容れる身体として完璧に適応しなおしている証でもあって。想像するだけで俺の股間が一回り大きくなったような気がした。
「今じゃ私の、女の子の頭の中は完全に竹中くんの男の魂と同化して、彼の性欲に支配されちゃった。鏡を見れば私の身体を、この綺麗なおまんこをぐちょぐちょに犯し尽くしたい欲求が溢れてくる。私の脳みそは完璧に、竹中くんが棲みやすい容れ物に生まれ変わっちゃったの。もう抵抗も拒絶も嫌悪感もどこにもない。こうやって、んぁあっ♡ 犯すのが、犯されるのが最高にきもちいぃのぉ……♡」
人生の絶頂とでもいわんばかりに幸福そうな表情で、佐倉さんは自らの膣内をほじり続ける。アイツの言うことが正しいならば、彼女の脳内は自分の身体を犯し、その肉体で得る快楽を貪り尽くそうとする思考が走り回っていることだろう。そのために膣内を動き回っていた彼女の指がふと、身体が大きく跳ねると同時に止まる。
「ふひひっ、みぃつけた……♡ 見て、ここ。丁度ここの裏辺りに、私の、佐倉理穂のGスポットがありまーす♡ ナカからだとちょっとだけザラザラしてるの。変だよね。プニプニのおまんこの中でザラザラしてるなんて。ここがキモチイイの。まずはここを軽く指で叩いて……んんっ!!♡ 身体に今からここを犯すよって教えてあげるの。そしたら、サワサワっと、んひゃあぁあぁっ♡♡♡ っっっ♡♡♡」
暇していた左手で、下腹部のある箇所を指差す。今彼女の指は此処に居るのだと、俺に教えてくれているのだ。そこはどう見ても腹の下で、男性器しか持たない俺には想像もつかない場所ではあったのだが。更に竹中はナカからその場所を軽く指でつつく。それだけで身体がビクッと跳ね、その部位のもたらす快感を物語っているように思えた。続いて撫でると、佐倉さんは叫ぶような、一際大きな声で喘ぎ声をあげる。その声は今まで聞いてきたどの声よりも甲高く、理性的なものではなくなった声であった。
「んぅぅっ、うあぁっ……ひゃああぁっ……ふぐっ……っ、んむっ……あぁあっっ……だめ、ダメだっ……気持ちよすぎてっ……んぐっ……何も、考えられなっ……んひゃあぁっ……!」
それでも指は止まることを知らず、佐倉さんの性感帯を執拗に刺激し続ける。別の生き物にでもなってしまったかのように腰を跳ね回らせながら、快楽を貪り尽くす姿は痴女と呼んでも差し支えないほど淫らに塗れ、同時にそれほどまでに佐倉さんという女性の器が気持ちよく、魅力的なものであることを俺に教えていた。
佐倉さんはすでに俺に股間を見せつけていた体制はやめ、うつ伏せになって舌を出したまま、虚ろな瞳で快楽を貪り続けていた。涎でシーツを濡らしながら獣のように股間で味わう快楽に喘ぎ狂う。頬を真紅に染上げ、全身を震わせ、カメラの前で笑いながら自らの肉体を存分に食い漁っていく。そこには読書に耽る大人しかった佐倉さんも、竹中によって作り出された明るい佐倉さんもいない。ただ快楽に善がり狂うメスの姿だけが映っていた。
「あっ、あ ゛-っ……っへへへっ♡ 私のおまんこぉ♡ 私だけの、大事な大事なおまんこぉ♡ あ ゛あ ゛-っ、ここっ♡ ここっ、しゅごいっ♡ ぉほお ゛っ♡ んぐっ、お ゛あ ゛っ、イ ゛ぐっ、イっぢゃう ゛っ……♡♡♡」
画面には涎と涙を垂れ流し、他人になど見せられない顔を晒す佐倉さんの姿。時折眼球が上向くのは快楽で表情をコントロールできなくなってしまったせいなのだろうか。そんな淫らな顔と、獣のような咆哮と、先ほどよりも淫猥で激しい粘液の音がスピーカーから響いてくる。
その艶姿に、股間からせりあがってくるような感覚に襲われる。遂に俺のカラダも限界を迎えてしまったのだ。
「はーっ、はぁーっ……くそっ……ダメだっ……射精るっ……!」
「ふふっ、ふへへっ♡ いいよっ、一緒にっ、ん ゛あ ゛ぁっ♡ イこっ? 私のカラダで、私のイく姿で、誰にも見せたことない私をオカズにしてっ、イっちゃおっ♡」
音量が大きくなる。佐倉さんの口をマイクに近づけ、俺に囁きかけているのだ。荒くなった吐息が、甘い喘ぎ声が、直接俺の耳を刺激してくるような感覚に襲われて、全身の血液が沸騰しそうなほど熱くなってくるのが分かる。射精したいのだ。この声の主に向かって、目の前に映る魅惑的な女体に向かって。
「あ ゛ああぁあああぁあっ、射精るっ……っ……!!」
「あはぁっ♡ 私もっ♡ イっちゃっ……ぅっ……♡♡♡ っぅ……♡」
情けない声をあげて、俺は絶頂してしまった。今までで一番濃くて、大量だったかもしれない。一瞬、画面の中で大きく震えて同じく絶頂する佐倉さんを見ながら、俺の意識は闇に沈んでいく……
「ん ゛っ……、はぁっ……ふぅ……あー、通話オナニーも中々良いもんだなぁ……理穂のカラダもこれ結構気に入ったみたいだし、しばらくやってやっても良いぜ? ……ってあれ、おーい、上岡ぁー?」
声が聞こえる気がする。しかし身体が動かない。もう、駄目だ。疲れた……
「……おいおい落ちちまったのかよ。1回イったぐらいで情けねーなぁ……理穂のカラダはまだまだ愉しめるのになぁ……ま、仕方ないか。上岡ぁ、お前もちゃんと鍛えろよなぁ? ……さーてと、俺は1人で理穂のクリでも使って続きを愉しむとするかな……! ふへへっ……!」
朝起きて、寝落ちしたことに気付いた俺が録画内容を確認すると竹中は最後にそう話して通話が切れていた。佐倉さんのカラダはまだ、アレより更に上の快楽を、絶頂を味わえるのだと、そう言っているように思えて、このときも俺の中で竹中への羨望の気持ちが膨らんでいったのだった。
カピカピになったティッシュ(準備しておいて助かった)を捨てて、学校に向かうことにする。
「お、上岡おっはよー」
「ん? ……あぁ、おはよう」
竹中とは学校を挟んで真逆の家だったが、佐倉さんとは同じ方向だったため、こうして登校中に竹中と話すのはこの関係になってからが初だ。竹中の入った佐倉さんは色んな人と話すため、別に不審がられることもないと思い、しばらく話すことにした。
「ったく、昨日は寝落ちしやがってー。あの後ずっと1人だったんだぞ?」
「いや、悪かったよ……まさか一発でダメになるとは思わなかったんだよ……」
佐倉さんの第一声は昨日のことだった。責める口調で口を尖らせてくる。竹中だったら気持ち悪いだけなのだが使っているのが佐倉さんの顔だからか正直魅力的に見えた。美人は得だ、竹中の癖に……
そんな竹中に俺は言い訳、というか正直な感想を口にする。画面に映る佐倉さんの姿はあまりにも淫らで、煽情的で、俺の股間を直接刺激してくるようなエロさがあった。正直、今でもあの姿を思い出すと勃起してしまいそうになるほどに。
「ふふん、分かるぜ。凄いよなこのドスケベボディ。見るか? 覗きこんでもいいんだぜ?」
「っ……! お前、なぁ……!」
俺の視線が佐倉さんの胸に行ったことを察知したのか、竹中は彼女の顔でニヤリと笑うと胸を持ち上げて見せつけてくる。もともとボタン2つ分くらい開けられていた胸元は持ち上げられたことでその谷間と柔らかな乳房を俺の眼前に晒してくる。白っぽくて綺麗な肌は昨日画面に見たあられもない姿を想起させ、無意識に全身が熱くなった。
「通話にも残ってると思うけど理穂のカラダも今回の通話オナニー気に入ったみたいだし、今回限りって訳じゃなくなったからあんま気を落とすなよ!」
「っ……本当かっ!?」
思わず身を乗り出し、がっついてしまう。それくらいに昨日の出来事は印象的で、今まで経験した何よりも淫らなものであったから。中身が竹中だから、男が何をすれば喜ぶのか、どうすれば興奮させることができるのかを心得ているのだ。その上で佐倉さんの魅惑的な身体を使う。興奮しない理由など、最初からどこにもなかったのだ。
「ぷっ……ふふっ……すっかり理穂の虜じゃねぇかよ。……あ、今日はダメだぜ? 丸一日部活休みだから香織とデートしてそのままお泊りって決まってるからな!」
そういえば近日泊まる約束した、って言ってたっけ。少し残念に思いながらしばらく歩いていると、目の前に中沢さんの姿が見える。俺と同じく彼女を確認した竹中は「おっ!」と小さく声を漏らして俺に言う。
「悪ぃ上岡! 香織が待ってるから続きはまた今度!」
と宣言して佐倉さんの足で中沢さんの下へと走っていった。今までそこまで見たことがあるわけでもないが、以前の佐倉さんより速くなっているような、そんな気がした。また、特に変哲も無い一日が始まる。
その日も竹中からはちょくちょく女子生活報告みたいなのが写真やメッセージで流れてきていた。トイレの中でとった写真や、生理らしき女子の報告。誰かに横から見られたらその瞬間に社会的に消されそうな内容もしばしば送られてくる。佐倉さんの身体は俺と竹中の偵察機のように扱われ続けている。
そんな報告が止んだのは放課後。中沢さんに手を引かれて佐倉さんが出て行ってからだった。
いつも来ていた連絡がない分少し寂しい感じはあったが、ここ最近竹中が送ってくれた盗撮写真やエロ自撮りのお陰でオカズには困っていなかったし、帰って1人で過ごすことにした。
次の日の朝、ベッドのシーツから肩だけを出し、満面の笑みを浮かべる佐倉さんとその横で同じく肩だけ出して抱きつくように眠っている中沢さんの写真が送られてきた。添えられた文は
『理穂に生まれ変われてよかったぁ~!』
……やりやがった。竹中は遂に佐倉さんの身体で、中沢さんを篭絡して女同士として身体を重ねたのだ。竹中として生きていたなら絶対叶わなかった望みを叶えて、佐倉理穂という1人の女性の人格を思うがままに作り変えて、アイツは中沢さんと肉体関係を持つまでになってしまったのだ。それからも裸の女の子の身体が二つ並ぶシーツの中や、眠る中沢さんの口に自らの舌を侵入させる佐倉さんの姿など、竹中が彼女の身体を得なければ絶対に有り得なかったような写真が次々と送られてくる。クラスメイト2人の淫らな姿はあまりに背徳的で、しかし刺激的で、これだけでしばらく抜ける位の威力はあったが彼女ら(特に中沢さん)と顔を合わせられなくなるので封印することにした。
それからも俺たちの不思議な関係は続き、何かあるたびに竹中は『佐倉さん』という身体を、立場を、人生を謳歌していった。
気安く色んな相手と話す機会が増えたせいか男子からの人気は一気に上がったらしく、しばしば告白されては『男と付き合う気ねーから。女に生まれ変わって出直してきな』と自らの失恋経験のごとく一刀両断していく佐倉さん。
月1回くらいしてくれるオナニー通話で、自分の身体が竹中の手によってどこまで開発されたかを嬉々として話す佐倉さん。
ちょくちょく中沢さんとの性交渉の経験をメッセージにして俺に送りつけ、彼女の身体の開発経過を嬉しそうに話す佐倉さん。
通っていた塾を辞め、テニス部に打ち込むも元々の脳の性能がいいせいで、学年でもトップ争いに参加し続け、中身は竹中なのに中沢さんに勉強を教えている佐倉さん。
文化祭でバニーガールの衣装を纏い、その魅惑の肢体と過激な格好で男子の視線を一気に集め、ついでに中沢さんに拗ねられてしばらく彼女のご機嫌取りに勤しむ佐倉さん。
体育祭では竹中の身体になる前までの、文系女子だった彼女からは考えられなかったほどの活躍を見せ、その印象を運動部女子に塗り替え、クラス内でも中心人物の1人になっていく佐倉さん。
女子の隠し撮り画像が出回って、別のクラスの犯人が吊るし上げられているのを見て女子達には「怖いよね」って話しながら、俺には「もっと過激なの、いっぱい撮って持ってるのにな」と耳元で笑い、囁きかけてくる佐倉さん。
進級して、初めてできた後輩を可愛がりすぎて立て続けに告白され、「女の子にモテるの嬉しいんだけど断るの辛いし、香織の目が怖い……」とこぼしながら、「テニス部の鞭の方」と恐れられた中沢さんと共に「テニス部の飴の方」と慕われた佐倉さん。
竹中の提案でAVを観ることになった時に、彼女の身体を使って状況を説明してきて、結局俺の部屋でオナニーショーを始める佐倉さん。
高校生活3年ですっかりテニス部女子の肉体に作り変えられ、中沢さんとのダブルスで県大会を勝ち進み、決勝で勝ちが決まった瞬間に感極まって中沢さんと抱き合ってキスして話題になる佐倉さん。
引退するのを惜しんで泣く後輩の額にキスして慰めて、それを見た中沢さんに拗ねられる佐倉さん。
竹中の新しい身体になってから、結局男とは誰とも性交しなかった佐倉さん。
全て本来の彼女が『佐倉さん』として人生を歩んでいたならありえなかったはずの出来事で、佐倉さんの人生が竹中に塗りつぶされたという証明のようにも思えた。
高校を卒業すると、竹中は佐倉さんであるのを利用して女子大へと進学していった。そのため直接会うことは少なくなったが、メッセージや画像のやり取りは続いていて、あっちの女子達のあられもない姿や、更に成長した佐倉さんのエロ自撮りがしばしば送られてきたが、家を出て近くの体育大学に進学した中沢さんと同棲しているらしく、彼女の相手に手一杯な様子で頻度は減ったように思えた。
竹中が進学した女子大で佐倉さんの頭脳を経理方向の能力を伸ばしており、元々性能の良かった佐倉さんの脳は知識と情報をすぐさま吸収し、竹中の糧になっていった。お陰で卒業後に中沢さんと2人で建てたジムの経営もスムーズに進んでいる様子だった。
更に年月がたった今でも佐倉さんは中沢さんと仲睦まじく過ごしながら、時折俺に自慢話やエロい写真を送りつける関係を続けている。今も彼女(彼)の真実を知るのは俺1人で、これからもずっとそうなのだろう。
もはや佐倉さんの人生は完全に竹中のモノへと塗り替えられてしまった。そしてこれからもアイツは彼女が歩む筈だった人生を自分色に作り変えながら生活を続け、彼女の代わりにその幸せを享受していくだろう。
竹中は誰にも止められない。竹中敦はもはや佐倉理穂そのもので、彼女の人生は彼の人生そのものなのだから。